南魚沼市の坂戸山(634m)に登るのは、5回目となる。
私が最も気に入っている山だ。
山頂まで往復3時間。
この時期には、カタクリ、タムシバ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、キクザイチゲ等々、雪解けの花々で埋め尽くされる。
いつだったか、山頂に着いた幼児が「パパ~、何にもないよ!お花しかないよ!」とびっくりして叫んだ時には、苦笑した。
特に、見事なのはカタクリ。麓から山頂まで、咲き続く。
登山道の各所には残雪があり、新緑とのコントラストも素晴らしい。
2017年のGWに初めて登り、感動して以後、ほぼ毎年GWに満開のカタクリを眺めながら坂戸山を楽しんできた。
ところが気候変動のせいか、昨年のGWには、カタクリはすっかり散り終えていた。
だから、昨年のGWは、気持ちの折れた休暇となった。
今年は何としても、坂戸山のカタクリに会いに行こうと、4月上旬からカタクリの開花情報と天気予報とをにらめっこしてきた。
そして、4月20日(土)、「ちょっと遅いかな?」という一抹の不安を抱えながら埼玉を発った。
カタクリは、陽射しを受けないと花弁を開かないので、登山を始めるのは9時頃からが良い。
カタクリが開くまでの時間に、もう1ケ所のお気に入りの場所、大崎ダムの湖畔を散策することにした。
7時、八海山尊神社に到着。
隣接する大崎ダム湖に足を向けた。
すると・・・・・・・・・
吹雪?
いいえ、見事な桜吹雪。
行けども行けども、淡いピンクの雪を敷き詰めたような散策路に、何枚シャッターを切ったことだろう。
山野草も、花びら達に負けじと咲き誇るのだが、その存在感はいまいちだ。
さて、時計は8時を回った。
山菜取りに来ていた地元の男性から、ビニル袋いっぱいのコゴミをいただき、気を良くして坂戸山に向かった。
山城のあった坂戸山。各所に史跡が残る。
登山口から少し登ったところにある「屋敷跡」も、カタクリが満開だった!
暫く登ると、周囲の新緑が目に飛び込んでくる。
これまでなら、この季節には雪の残っていた谷間にも、今年は全く雪がない。
そして、頂上も近くづくと、山道の両脇のカタクリが密度を増す。
やがて、桃ノ木平という平地に到着。
お目当ての群生地だ。
通り過ぎて、上から見下ろす。
後から登ってきたグループの歓声が聞こえる。
更に、山頂に近づくと、越後三山の雪山を背景に従えたカタクリの群生。
そして、頂上に立つと、これまでの景観は一変し、眼下に盆地が広がる。
展望だけではない。
植物相もここから一変する。
ここまでは、カタクリ、ショウジョウバカマ、キクザイチゲが中心だが、ここから下山に使う登山道には真っ白なタムシバとピンクのイワウチワの饗宴となる。
タムシバとイワウチワ、そして米どころの盆地をたっぷり眺めながらの贅沢な下山となった。
「雪」のもたらしてくれた花の絶景に心打たれる登山となった。
さて、今日から「連休」が始まる。
連休のお目当ては初夏を告げるツツジの山だ。
明日の早朝に発つ。
また、ブログで紹介したい。
皆さんも、ゆったりと、この連休を楽しんでください。