よしだ教室の2年生の4月の国語教材は「かわいそうなぞう」。
戦時中に餓死させられた3頭の象を描いた作品です。
命の大切さを「文学」で体験して欲しい、との思いがあります。
3回に分けて授業で扱いました。
「授業では、私の感情を押しつけてはならない」ということを前提にして、読みとらせるべき中心を、二つのことに絞っています。
一つは、象たちの客観描写。
そこから、象の悲惨な死をわかってもらいたいという願いがあります。
もう一つは、当時の象係の人達の様子。
我が子のようにして育てた象を、自らの手で死に追いやるしかなかった人達の気持ちを、どこまで感じとってもらえるだろうか、という思いがあります。
3回目の授業。
左の場面から、どこまで象係の人達の思いに迫れるだろうか・・・・・毎年のことですが、2年生にとっては決して軽くはない課題です。(授業では本文だけを読ませ、絵は見せていない)
キーは、「げんこつでつくえをたたいて、なきふしました」という文の理解です。
読みずらいとは思いますが、その時のやり取りを紹介します。(Tは私、Cは子供達を表す)
T:この文の象係の人の動作を真似してみて下さい。
C全員:(両手で両目を押さえて泣く真似をする)
T:「げんこつでつくえをたたいて」と書いてあるよ。
C1:あっ、そうか
(全員、片手で両目をぬぐいながら、片手で机をたたき始める)
C2:先生、「なきふしました」ってどういう意味ですか
T:泣きながら伏したんだね。「ふせる」っていう言葉の意味は、わかるかな?
(子供達は、しばらく考えている様子)
C1:こういうことかなあ
(そう言いながら、机の下に隠れる。地震の避難訓練を思い出したようだ)
T:そうそう。ただ、このときは、ちょっと違うよ。「げんこつでつくえをたたいて、なきふしました」だよ。
C全員:(やっと、正しく動作を表現する)
T:では、その時、象係の人はどんな気持ちだったと思いますか?
C3:悲しい・・・・かなあ・・・
C2:やっぱり、悲しいよ。
T:悲しさだけだったら、げんこつで机をたたくかなあ?げんこつで机をたたいた時の気持ちだよ。
C1:わかった「くそ!」っていう気もちだ。
T:そうだね。悔しいんだよね。
C全員:そうだ。そうだ。悔しいんだよ
T:じゃあ、どうして悲しいだけではなくて、悔しいんだろう?
C1:助けてあげれば良かった、って思ったんだと思うよ。でもね、助けたら、怒られちゃうでしょ。だからね・・・
助けてあげれば良かったんだけどね・・・・。
「文学」を通して想像するという限界はありますが、今年も、何とか象係の人達の辛さにまで、想いを馳せることができたように思えます。
2年生達が、象の死に悲しい思いをつのらせ、
2年生達が、象係の人達の姿に、命を育て関わっていくことの重さと、命を救い出すことのできなかった悔しさとを、少しでも感じることができたのなら、この作品を扱った私の責任も果たせたのではないか、と思えます。
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