そんなわけで『カイチュー!』第7巻、話の舞台が全神奈川規模になって小田川弓道部が一大ピンチに陥っても、その重大さがイマイチつかめません。
インターハイ県予選に一区切りつけた小田川は、申し込みを受けて40km離れた相模中央との合同練習に赴きます。ゴンちゃんのような強者も立川君のようなホープもいない同校でしたが、基本の確立した「全員が主役の弓道」(p.19)を貫いていました。この場面で浮き彫りになっている小田川弓道部の課題が、よもやあのような形で牙をむくことになろうとは、誰が知りえたでしょうか。
早い話が、インターハイ二次予選、ゴンちゃんは遅刻します。
権三郎「のんきに花菖蒲まつり見物してんじゃないわよ!!!」
木村先生「何言っとる 小田川の6月といったら小田川城花菖蒲まつりじゃ」
まこと「夜はライトアップで幻想的な雰囲気になるんだよー」
権三郎「何よそのまつりアピール!! 小田川の観光大使狙ってんの!!?」(p.117)
会場は小田川から約60km離れた新横濱の武道館。小田川男子はやむなく一回戦のメンバー表からゴンちゃんの名を外すことになります。一番手たる大前は、よりによって杉村! 不安しかない状況下で立川君は、そしてえーと、あの3人は乗り切れるのか!?
部活動としてのスポーツの特質を正面から扱った“並みを外れてない展開”が熱いです。
Lo básico es importante.
(基本的なことが大事。)
『カイチュー!』(7)
林佑樹
集英社ヤングジャンプ・コミックス
高さ:18.2cm 幅:13.2cm(B6、カバー参考)
厚さ:1.5cm
重さ:186g
ページ数:207
本文の文字の大きさ:不定