3月に大学を卒業し、
4月1日に着任。
会議、打ち合わせ、教室準備――
何が何だか分からないまま日々が過ぎていき、
いよいよ、
子どもたちとの対面が迫ってきました。
---
正直に言うと、
楽しみよりも、不安のほうがずっと大きかったです。
---
子どもたちを前にしたら、
自分は何をすればいいのか。
何をしなくてはいけないのか。
ノートにやることを書き出して、
何度も何度も頭の中で繰り返しました。
---
「まずは自己紹介。
きりっと、でも固すぎず、明るく」
「次は呼名。
絶対に、絶対に間違えない」
40人分の名前をほぼ覚えて、
一人ひとりに「よろしくね」と声をかける。
できれば、握手も。
---
「ロッカーにランドセルを入れて」
「鍵盤ハーモニカはその横」
「体育着はフックに」
雑巾は2枚持ってくることになっている。
1枚は集めて、もう1枚は自分用。
洗濯ばさみで留めて――
名前は書いてあるか、確認して。
---
プリントも配らなければいけない。
2年生なら後ろに回せるけれど、
1年生ならそこから教えないといけない。
たたみ方、連絡袋への入れ方。
最初が肝心。
---
教科書も配る。
「これは、みんなに無償で配られている大切なものだよ」
そう伝えて、
名前を書いてくること、
明日の予定、
自己紹介の宿題――
---
頭の中では、
すべてが順番どおりに進んでいきます。
でも――
本当にその通りにできるのか、
少しでも間違えたらどうしよう、
名前を言い間違えたらどうしよう。
考えれば考えるほど、
胸がどくどくしてきて、
通勤の1時間半は、
ずっとイメージトレーニング。
それでも不安は消えず、
むしろどんどん大きくなっていきました。
---
あのときの私は、
「ちゃんとやらなきゃ」
その一心で、
少し息が苦しくなるくらい
自分を追い込んでいたように思います。
- 前ページ
- 次ページ