さあ、フィリピン癌を出て、とにかく入れそうなパビリオンを探そう!
ふと、前のコモンズA館の前を見ると・・・・・・
やはり行列はない。そして、例の「雲のジュウザ」が大声を張り上げて
いた。「行列したって無駄ですよ!入れませんから!」
そこへ、おばあちゃんがやってきて「トイレ入れて」と言っていた!
何と言う奇遇。そしてもちろん「雲のジュウザ」は、「今は入れません!」
とおっかえしていた。ああ、あの親子連れもこうやって追い返されたに
違いない・・・・・
とりあえず、今日のお昼。これでやっぱり2,800円。もう値段の感覚がなくなって
きている。どんなもんでも食えればめっけもん。けど、どこも美味しい、という
感覚はなかったなあ。レストランがあるパビリオンに入れれば、きっと各国の威信
をかけた料理が食べられるのだろうが、とにかく入れない。
それ以外の食べるところはみな、良くて「フードコート」である。それも通常の
フードコートの2倍の値段の。
コンビニもセブン、ファミマ、ローソンの3店舗入っているらしいが、私はついぞ
セブンしか見つけられなかった。それも大・大・大行列で入る気が失せた。
これは、もしかしたら「コンビニもあるよ。だから万博は『ぼったくり店大集合』
じゃないからね。」という言い訳をするための免罪符だったのではないか。
だから、あれだけ広大な敷地に3店舗だったのでは?と疑ってしまう。
ちなみに、外で食べるハンバーガーは、普通に2,000円です。モスも真っ青だね。
夕刻近くになり、なんとなく、各パビリオンも入れそうな雰囲気。
おお、集合住宅みたいなコモンズに入れそう!(ごめん、ここからコモンズシリーズ
が続くが、実はもう、どのコモンズに入れたか記憶があやふや。)
巨大な体育館みたいだ。
おー、なんだかセクスィー。
色とりどりの装飾品。原色が多い。
素晴らしい工芸品の数々。
これも、女戦士か。たくましそう。
これは、人魚、というか、魚人か。
そしていよいよ、大阪おばちゃんに言われた「シンガポールパビリオン」に行く。
その前に、行く途中にあるガンダム君にごあいさつを。有名どころは本当にどこも
入れなかったなあ・・・・
さあ、シンガポールパビリオン。ここなら1時間ちょっとの行列で入れそう!
行列も順調に進んで、パビリオンが近づいてきた。よくよく見ると。
これ、一枚一枚、大きさも色も表面加工も微妙に違っている!なんという手間を
かけているのだ!
シンガポールパビリオンのメインテーマは「Where Dreams take Shape」
日本語では「夢・つなぐ・みらい」ということになっている。まず、「夢」の部分
の導入が綺麗。膨大な切り紙細工。
とにかく、幻想的で何もかにもが美しい。本当に夢の世界に入り込んでしまったよう。
この部屋で、各自自分の夢を書ける。今までの幻想的な「夢」から、自分の将来への
「夢」に連続的に変化していく。
ここでは、ファンタジックな美しい動画。ここの動画で、先ほど記入されたみんな
の「夢」も投影され、シンガポールの将来とともに紡がれていく。心憎い演出だ。
なんだか、余韻の残るパビリオンであった。大阪おばちゃんが絶賛していたのも
腑に落ちる。
さて、次は最後に大阪おばちゃんが「けっこう入りやすいで!」と勧めてくれた
ネパールパビリオンに向かうぞ!
おお、ここはおばちゃんが言っていた通り、30分も待たずにすんなり入れた!
これはなかなかすごいお出迎え。
中の展示物は、もう、ネパールの宗教的芸術の粋を集めたものだった。
これはチベット仏教の法具、独鈷杵(とっこしょ)かあ。そうか、日本でも山伏
がつかったりしていたけど、ネパールが源流なのかしら。
どれも素晴らしいね。
愛の神様なのだろうか。
なんだか、魔除けになりそうです。
こうして、ネパールパビリオンを後にしたのであった。
もうそろそろ帰りの時間だ。その前に、もう一度大屋根リングに登ろう。
最後に、かなり強行軍だった、この万博の景色を目に焼き付けておこう。
おお、満月が・・・・で、いきなり、月食のことを思い出した。すぐにスマホで
調べると、「今日(正確には夜中を越して明日)やんけー!」と。
ああ、帰ったらすぐに寝られないで、月食撮影だなあ。地獄だなあ。などと思った。
さあ、帰るぞ。新幹線で駅弁の夕食。
思い起こせば、はるか昔の大阪万博にオヤジとお袋に連れられてきた。その時の
万博は「人類の未来は明るい、明るい、ハッピールンルン。これからは科学の
時代だぜい!」という感じだった。私が幼かった、ということもあって、各パビリ
オンの思い出はほとんどない。広大な立体映画くらいか、おぼえているのは。
そして、つくば万博。これは面白かった。UCCパビリオンのコーヒー産地のダンサー
達の宿舎が近所にあって、何かのはずみで仲良くなったこともあって、行くと楽屋
に入れてくれたし、何か、身の丈に合った楽しい万博だった。「科学万博」だけ
あって、やはり「科学」がメインテーマではあったけど、明るい未来だけではない、
これから直面する問題も、しっかり描かれていたような気がする。
私は、その万博の「非日常感」にあてられたのか、楽しくて楽しくて、9回も通った。
最後の方は、雨の日も原チャリで通った。いや、本当は、10回か。
もう時効だから書いちゃうけど、閉会後、夜に一回忍び込んだ。会場の周りは、
ほとんど壁にかこわれ、壁の上は鉄条網がまかれていたのだが、一か所だけ、
鉄条網がないところを見つけていたので、車で夜、梯子をもって出かけたのだ。
「早くしないと、解体がはじまってしまう!」と。
忍び込んだ時は、さすがにドキドキしたが、まっすぐ、メインストリートに向かった。
ああ、つい、この前まで、何万人と人が歩いていたメインストリート。私もその一人
だったのだ!それが、もう、誰もいない。宴の後。月だけがメインストリートを照ら
していた。あれだけ人が集い、楽しんだ場所が、遺跡になることもなく、消え去って
いく。その刹那に立ち会いたかった。
と、しみじみメインストリートの真ん中を歩いていたら、前方からサーチライトの
光が・・・・まずい、警備員とか、いるのか。 私は、すぐに撤収を開始したので
あった。※良い子は真似をしちゃいけませんよ。あの時と違って、おそらく、
Aiが監視しているだろうし。
で、今回。まあ、いろいろあったけど、「非日常感」はたっぷりあったのでは
なかろうか。大阪おばちゃんも「7回目」とか言っていたけど、そういう人は
多かったのではないだろうか。また、どんな小さな国のパビリオンでも、
自国を精一杯、胸を張って主張していた。(いや、逆に大きな国や、大企業の
パビリオンには近づくことすらできなかったんだけどね。)
パビリオンは数えるほどしか入れなかったから、えらそうなことは言えないね。
まあ、もう少し前もって準備して、各パビリオンもずっと前から予約して
楽しみたかったねえ。後の祭りだけど。まあ、おじさんの万博記はこれで
おしまい。







































