さて、生徒相手にまた実験。今度は、強い風によって発泡スチロールの球を

浮かばせる実験。

とりあえず、ブロワーを使ってこんなものを作りました。

さて、この先端から、物凄い風が出てくるよ。さて、そこに発泡スチロールの玉

をのせてみる。(ブロワーの音が半端なくうるさいから、クリックする前に音量を

下げていてください。)

特に、斜めにしても落ちてこない事に注目。またよく見ると、球は

ぶるぶると震えていることがわかります。つまり、落ちようとする力と

戻ろうとする力(復元力)が拮抗していてうまくバランスがとられて

いる、ということですな。

実はこれには、「コアンダ効果」によるものなのだ。

空気や水のような「流体」は、障害物にあたると、その障害物の壁に

そってすすむ。そして、その際、その障害物は流体の方向へ引っ張ら

れる、という性質がある。ここら辺が「コアンダ効果」。

つまり、下の赤い力が発生して引っ張りっこしている状態。

これは、電車がホームに来たときになんとなく、体が電車側に引き込まれる

ことでもわかると思う。だから、ぜったいに「白線の内側」にいなければ

ならないのだ。

さて、たとえば、この球が傾くなりして、右に動くとしよう。すると

空気の流れは次のようになる。すると風が球面にたいして接する面積

に左右差が生じる。平たく言えば、左の方が障害物が小さくなるのだ。

そうなると、もちろん障害物がないだけ、空気の速度が左の方が上がる。

コアンダ効果は風が強いほど大きいから、球は左により引っ張られる事

になり、元の位置にもどるのだ。これはおそらく「気圧」でも説明で

きる。風が強くなると、一時的に空気が引き伸ばされ、もちろん気圧が

下がる。当然気圧が下がった方に物体は引っ張られる。

(ストローを吸うとジュースが口に入るのと同じだね。)だから

球はいつもぶるぶる震えながら均衡をたもっている。

ペットボトルでも遊んでみました。また音がうるさいからミュートにしておいてね。

というわけで、生徒たちは大喜びでございました。