この時期、紅葉を求めて福島山中を徘徊することにしている。

それに、昨年から、福島行きにもう一つの理由がついた。それは友人の

お墓参りだ。

 

もう遥か彼方の昔話だが、こんなおっちゃんも中学生だった。僕の学校は

周辺ではけっこう有名なやんちゃ中学校で、年上の暴走族がいたり、

「あれ?あいつしばらく見ないな」と思うと少年院に行ってたりした。

目立つ奴は屋上に呼び出されて、自転車のチェーンでボコられる、なんて

こともあったようだ。まあ、まるで漫画の世界だね。

 

で、うちのクラスはその中でもなかなかのクラスだったのだが、なぜか

僕は万年学級委員長だった。担任のご指名だったから、「何の罰ゲーム?」

と言う感じだね。

さて、ここに一人のちょっと一風変わった女子が転校してきたのだが、

(これがもう、一風変わった、としか言いようがないのだ。)

果たして、同じクラスの女子からはギャンギャンからまれ始めた。

まあ、ギャンギャン女子はもとから気に入らなかったし、一応学級委員

という肩書もあったから、彼女たちを𠮟った。(まあ、ちょっといぢめ

ちゃったかもしれないけどね・・・・)

 

それから、その子は、まあ、「助けてくれてありがとう。」とか、

はっきり言ってくるようになった。こちらはそんな気はなかった

のだが・・・・それからうん十年、私の誕生日には手紙や

電話、そしてここ10年くらいはメールで「誕生日おめでとう!」

と連絡してくれた。ちょっとうっとうしいなあ、と思わなくも

なかったが、まあ、世界中が僕の敵に回っても、こいつはきっと

味方にはなってくれそうだった。

 

で、昨年1月、突然電話で、「今近くにいるけど、行っていい?」

と電話が・・・・「どこにいるの?」と聞いたら、「教室の前」

だと。ああ、いつもこういう奴だったなあ。ただ、こちらは丁度

受験の真っ最中で、もてなす余裕なんか全然なくて、教室の前で

ちょっと立ち話をして帰ってもらった。

 

それから、ひと月くらいたってからか・・・・バレンタインデー

に見るからに高級そうなチョコが送られてきた。「え!」と

思ったが、「ホワイトデーには何か送らなければなあ。これは

ちょっと高級すぎる。」と思って、1週間くらいたったころだ。

 

授業中に、彼女の息子さんから突然電話があって、

「母が亡くなりました」と。

 

あんまり急で、私は頭真っ白になってしまいましたよ。「え?

だって、ひと月くらい前にうちに来たばかりだよ。」と言ったら

「はい。脳幹出血で、いきなり倒れたんです。その上コロナにも

感染していて、もう病院でも隔離状態で、身内の私たちも接触で

きませんでした。倒れてから一度も意識はもどりませんでした。」

とのことだった。

 

奴は星が大好きで、女子にしては、かなり本格的な望遠鏡ももって

いた。まあ、今はやりの「星ガール」の先駆けだった。

で、ホワイトデーのお返しに、「星」の命名権を購入して、彼女

の名前を付けた。小さな小さな、星屑の一つだけどね。

 

で、今は、旦那の実家の福島のお墓に眠っている。で、昨年から

福島に行くついでに墓参りをすることにした。

で、今年も。

この上がお墓。なんだか異世界に続くようだ。

田舎の墓場はとにかく広い。着いたのは午後3時半ごろ。もう日が大きく傾いている。

で、去年来たのに、またちょと迷って、見つけた。

さて、墓前で手を合わせ、昔話をした。だけど、生前にもっともっと話を聞いて

やればよかった。もっと親切にしてやればよかった。人生後悔ばっかりだ。

 

後、ここからまた一時間くらい車を走らせ福島山中へ。今度は紅葉だ。

着いた時はもうすっかり夜。

今日は、寒くなってきたので鍋などを。

鱈のアラが安く手に入ったので、これでもか!と言うくらい鱈をぶち込む。

鱈チゲ鍋ね。

ああ、最高にうまい!熱々の鍋に、冷たいビールは最高!

鍋が終わった後は、うどんを投入。

さて、お腹もいっぱいになって、今度は外で焚火などを。

まず、薪を買ったばかりのナイフでささくれだたせる。こうすると着火しやすい。

焚火はいいなあ。(ピンボケなのはごめんなさい。)

アユかニジマスを焼きたかったのだけど、途中のスーパーには、イワシの

一夜干しくらいしかなかった。これはこれで美味しいのだけどね。で、焼いて食す。

うま~

しかし・・・どうも周りで大きな生き物が動く音が途絶えない・・・・

「熊注意」の立て看板があったからなあ。買ったばかりのナイフを持って、

思いっきり吠えてみた。ザザザザザ、と遠ざかる音がして、それからは

静かになった。

さあ、明日は紅葉めぐり。今日は早く寝よう。            続く