更新遅れてすみません。やっと受験も終わったのですが、その件はまた後で。とりあえず、今は確定申告まっしぐら。ただ、「毒」展は、まだ少し続けます。

鳥類も実は毒をもつものがいる。

これが現物のはく製 羽や皮膚に高濃度の毒を蓄積している。実はこれも特定の毒虫を選択的に食べているせいだ。

これがその毒虫と同じ種類の虫。しかし、本当にどうして毒を選択的に捕食する、という事をできるようになるのだろう。最初に食べた鳥たちは、おそらく相当ひどい目に合っているはずなのに・・・・・幼鳥というのは、間違えて毒虫を食べることがある。その時の事をすぐに学習してもう二度と食べなくなる。良く言う「体が受け付けない」という事だ。この優れたシステムが種の保存の一助になっている事は間違いない。だけど、「対毒性をもつ」というのは、このシステムに逆らう事だ。最初からある種の毒に完全耐性を持つ、というのは考えづらいからね。どうしても単なる自然選択からだけでは「いつのまにか完全耐性をもって」「選択的にその毒虫を食む」ようになるのは困難なのではないか、と思うのだ。たかだか数十万~数百万年程度では。

生物の進化はわからない事が多すぎる。

哺乳類も負けてはいない。これは有名なカモノハシ。後ろ足の蹴爪にディフェンシンという毒がある。小動物だと殺せる威力だ。

貝類も猛毒を持つ者もいる。

これはイモガイの一種アンボイナ。毒銛を持っていて獲物を突き刺して動けなくしてから食べる。完全に肉食性の貝だ。その毒はコノトキシンというもので、一匹分の毒で30人の人間を殺せるほどだ。

海の中の毒生物と言えば「アカエイ」

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写真を見ればわかるように尾っぽに鋸のような毒針を持っている。その毒は多種存在し、まだ完全に分析しきれいていない。タンパク質系の毒で、細胞を強力に破壊する。たとえば、お腹を刺された人がそのまま皮膚から内臓まで毒によって分解され、腹に空いた穴から腸が出てくる、なんて事態も起こっている。海に行ったときには間違えてもアカエイには触らないようにね。

毒の相手に搬入するシステムとしては、毒蛇が凄い。

毒牙の拡大。ちゃんと牙の中が空洞になっていて中を毒液が流れるようになっている。そう、これは注射針だ。

次はカビ類。左は、赤カビという毒カビに侵された小麦

ピーナッツとかコーヒー豆に発生するカビにも強力な発がん性があったりするから、十分注意してね。

最後に「人と毒との関わり」をひとつ、たとえば、「肌が白い」事が美徳とされ、江戸時代には「おしろい」が大流行したけど、それは毒性の高い「水銀」が原料だったから、たぶん相当数の女性が水銀中毒になって命を縮めていたと思われる。

まだまだ全体の1/10 くらいしか書いていないけど、さすがに時間がないので今回はここまでにさせて頂きましょう。しかしやはり「毒」それに対する「防御」が、まるで絡み合う縄のように関係しあい、それらの生き物たちの進化に影響を与えてきたことは本当に面白かった。そしてこれは「寄生虫」と「宿主」なんかにも当てはまる事なんだなあ。機会があればまた書かせて頂きますね。では。