彗星が接近している。その名もレナード彗星。この彗星は軌道が双曲線をしており
一度太陽を離れると、二度と戻っては来ない。そのまま宇宙はるかかなたに飛んで
行ってしまうのだ。 まさに「一期一会」 というわけで、忙しい時期ではありますが、
無理して一人で山に行ったのであります。
今回も茨城方面。(栃木との県境まで行くけどね。)
また途中にある神社でお参り。本当に見事な「絵にかいたような」鎮守の森だ。
お社はこのような感じです。一度壊れて改修されたので、まだヒノキの匂いが
濃いです。
で、お昼、(といっても出発が遅かったので2時半)には、「そばきり空蔵」さんへ
何やら店の前に猫がいる。
この猫がなんとも・・・・・目も見えていないのかもしれない。前足にも何か障害を持っていそうだ。
なんだか可哀そうだなあ。ただ、店の前にずっといるってことは、きっと店の人から
なにかしらの援助を受けているのだろうなあ。海老天の尾っぽなんてたくさんでそう
だからなあ。
蕎麦は安定の美味しさでございました。どの品も、必ず何かしらの工夫が凝らしてある。
今日はタクアンの香りにちょっと感動。たぶん紫蘇?であろうか。香りづけがされていた。
途中、避難所になってしまった廃校。なんだか夕日に照らされてノスタルジック。
で、またいつものように温泉につかって、と。
いよいよ山に入っていきます。ちょうど夕暮れ時。山頂では富士山が感動的に美しい。
夕暮れ時でパープルな富士山。こんなに美しい山は他にあるのだろうか。
しばらく富士山をご堪能下さい。
宵の明星(金星)と富士山
寒くなって車中に入る。車中からの富士山。とにかく、日が沈むまで富士山を
見入っておりました。
さて、暗くなってしまったけど、急いで望遠鏡を組み立てる。
これが今回のお披露目の品。ドイツから個人輸入した大型双眼鏡。ちと高かった
けど、まあ、日ごろ馬車馬のように働いているのでバチは当たるまい。
生徒たちに屋上で星を見せられるしね。(この写真は夜半過ぎに撮ったので、
機材が凍てついて霜だらけだ。)
で、望遠鏡を組み上げた後は、いつものように車中でお食事。ここでとんでもないことに気づく。
もつ鍋なのに、「キャベツ」を忘れてきた!思わず、誰もいない山中で叫んでしまいました・・・・
しかし、どうしようもないので、「キャベツ抜きもつ鍋」ということに・・・・・
まあ、野菜はニラやキクラゲ、舞茸、ニンニクとたくさんあるから、野菜不足にはならないと思う。
で食事の後は、ひと眠り。実はレナード彗星が地平線から上って本格的に観測できる
ようになるのは午前4時過ぎ。一番見ごろを迎えるのは5時ごろだ。それを過ぎると薄明
が始まって急激に夜空は明るくなっていき観測できなくなる。そう、つまり夜明け前の
1時間が勝負の時間なのだ!だから今のうちに休んでおくのだ。(といっても15分くらい
で起きちゃったけどね。)
で、起きた時は満天の星空。そのあとは急激に冷え込んで霜柱経ちまくり、周りが
すべて凍てつく状態だったけど、根性出してバンバン星を見まくって、気づいたら
午前4時であった。氷点下の外で一晩中突っ立っているので体は芯から冷えてるぞ。
この趣味は、体を壊す可能性があるので人にはあまり勧められないなあ。
さあ、彗星タイムだ。これが久しぶりにまじめに撮った天体写真。
といってJPGの上、も画像処理が適当だから、細かいことには目をつぶってね。
きっとこの彗星、何万年も前に太陽に向かって落下してきたんだよ。縄文時代よりずっと前の事だ。
そしてこれからは、何万年どころか下手をすると何億年、何十億年と宇宙を渡り
続けるのだなあ。「孤高の旅人」そのものだね。これからいったいどんな景色を
見続けていくのだろうか・・・・・
で、ここで例の大型双眼鏡で見てみたら、なんと尾が見えない!おかしい、
46㎝の望遠鏡で見えるのは当たり前だけど、小型のファインダーでもしっかり
見えているのに・・・・・とよくよく見たら、レナード彗星ではなく、M3だった。
これはメシエ天体3番、という意味。ウルトラマンが来たのがM78だったよね。
あれはメシエ天体78番という意味なんだ。なんのことはない、メシエという彗星
探索者が星雲星団を彗星と見間違えないように、番号を振って名前にして
いたのだ。私はまんまと彗星と間違えていたのであった。うう、恥ずかしい。
「そうだ!それならいっそ、アベック写真にしたほうが見栄えがする!」という
ことであと観望できるのが10分ぐらいしかないのに、無謀にもレンズ交換を
してピンを合わせなおし・・・・・と写真を撮ってみたら全然だめだ。そうか!
重量配分のバランスウエイトが合わないのだ。軽いレンズに交換したから
ね。しかし、そんなものは持ってきていない・・・・仕方ないので、ウエイトを
外して、代わりにランタンライトをマジックテープで結ぶ付け、ぎりぎり撮影。
綱渡りである。
(このランタンを取り付けた写真は撮影後に撮りました。)
で、これが心臓がバクバクしながらどうにか撮った写真
上にやたらでかい星みたいに見えるのが、球状星団「M3」だ。
ちなみに「M3」はこれだけ拡大するとこんな感じ。これは僕の撮影したものではないけど、
僕の大型望遠鏡だと、ちょうどこんな感じに見える。(もうちょい薄くした感じ)
撮ったとたんに空は徐々に白み始めて・・・・
急激に夜の世界は終わりを迎え始めたのだった。
結局、この後、後片付けとかで寝たのは6時。起きたの8時。2時間はなんとか眠れた。
で、朝、山頂に上り、山頂にある神社に「昨日はどうもありがとうございました。
おかげさまでしっかり彗星の写真が撮れました!」とお参り。
例によって、ここははるかかなたの海が見えるのだ。かなたに光っている線が
海の水平線。
反対に目をやると、雪化粧をした山が見える。これは奥白根だ。
ああ、相当にハードな星見だったけど、なんとか目的達成。
家に7時に帰ってきて、後片付けして、今このブログ書いてます。
我ながら丈夫である、と思います。今から風呂入って寝ますね。ではおやすみなさい。