実は、いつもこの時期、この福島の山中で、紅葉のほかに楽しみにして
いたことがあった。そう、「不動湯温泉」である。
今年も楽しみにしていたのだが・・・・・
ついに、店じまいとなってしまった。残念だ。本当に残念だ。大事な拠点を一つ、完全に
失ってしまった。まあ、本当に高齢なご夫婦がやっていたのだから、遠からず、こういう
ことになるだろう、とは思っていたが、いきなりだったのでjかなりショック。
しかし、この急なようすでは、のっぴきならない理由もあったのだろう。本当に長く、二人で
働いてきたのだ。ゆっくり休んで、そのあとはどうぞ、これからも達者にお過ごしください。
ここで、誰もいない庵に頭を下げて、紅葉の山に向かうのだった。
何時ものように、女沼とついになっている「男沼」を探索。
男沼は、女沼に比べ二回りくらい小さく、水も澄んでいる気がする。
しばしご堪能下さい。
ちょっと雲も多くて色が冴えないけど、それでも素晴らしいよ。
途中、いつもの水場で、例によってコーヒーを淹れて飲む。この環境で最高だあ。
次は仁田沼。ここは、かなり湿原化している。春には水芭蕉が咲き乱れる。
さて、そろそろお腹もすいたし、土湯の町に降りる。
ここが、土湯の町営温泉。入泉料500円。
で、しっかり温まって、町に繰り出して昼ごはんを食べようと思ったら・・・・・どこもいっぱい。
かつ、やっとこの地で有名な蕎麦屋に並んで席を取ったら・・・・・(15分以上は待ったよ。)
「何になさいます?」というので、当然看板メニュー「手打ちのきのこ天ざるそば!」と言ったら、
「蕎麦類全部、売り切れです。ご飯ならあります。」
最初から、言えよな!大体、蕎麦屋だろう。
こっちは蕎麦食いに来たのだ!と怒鳴りたかった
が小心者なので、「すみません。じゃあ、今回は・・・・また今度来ますので」と
すぐに店を出て、スマホ片手に蕎麦屋を探し回りましたよ。やっとインター入り口近くで見っけ。
はい、やっと天ざる蕎麦。どういう魔法か、10割蕎麦なのに、そうめんのように細い。
ついでにそばつゆもそうめん汁みたいだった。
で、この後、すぐに岐路に着いたのだった。行の車中は「プロジェクトX」話だったけど、
帰りは国立天文台と先輩がちょくちょく出張っているチリの「アルマプロジェクト」のお話だった。
特に「アルマプロジェクト」は国際協力で成り立っている大規模なもので、チリのアルマ
の山頂は、さながら世界中からスタッフが集まる「研究者村」になっているのだそうだ。
プールとか、小型シアターもある本格的な居住空間だそうです。しかしその村では、
なんと、スタッフが入村するとき、2つのチェックがあるそうで、一つはコロナ対策に
体温チェック。もう一つは・・・・・アルコールチェックなのだそうな。村内、アルコール絶対
禁止だそうで、もし見つかったら永久追放になりかねないみたいです。それを聞いて、
「ああ、オレは、これだけで挫折する自信がある!」とため息をついてしまいました。
その他、電波望遠鏡のセンサーの感度を上げるために「絶対零度(マイナス273度、いわゆる
これ以上低い温度はない、という温度」に極限まで近づけようと努力している話だとか、物体
がこの「絶対零度」に近づくと、突然、その物質の性質が変わってしまう、という話だとか、興味
は尽きませんでしたね。不動湯の件は残念だったけど、今回も充実した旅でございました。