教室前の老巨木となった桜を、もう30年以上お世話させていただいております。

もう、幹回りは3メートルを優に超えるほどに大きくなりました。

ところが最近、「やばいキノコ」に浸食され、にっちもさっちもいかなくなってきたのであります。

このキリが30㎝くらいあるから、どのくらいでかいかわかるでしょう。

こちらは10円玉と比較。

これはベッコウタケといいまして、毒々しいオレンジ色をしております。温暖化の影響も

あってか、日本中で猛威を振るい、ソメイヨシノを枯死させ続けているのです。

このキノコには「トリコデルマ菌」という天敵となるカビがおります。この菌をどうにか

手に入れて、毎年桜のキノコ浸食部に塗り混んだり、土に蒔いたりしていたのですが、

暑さには弱い菌なので、この「温暖化」のせいでキノコ優勢になって今日に至っており

ます。今年はついにこんなキノコも。これはおそらく「カワウソタケ」だろうなあ。

これもソメイヨシノを痛めつける札付きです。

どうしよう、どうしよう、と悶々としていたら・・・・トリコデルマ菌を購入していた会社から

連絡が・・・・・トリコデルマ菌より、はるかに強力にキノコを抑制するカビを無料で分けて

頂ける運びとなりました。その名も「Gliocladium spp1466」

いままでのトリコデルマ菌は、どちらかというと、キノコを近寄らせない程度(忌避レベル)

それにくらべて、この「新顔」は、生きているキノコに食らいついて滅してしまうそうな。防御

体制としては完璧な「キノコの胞子」にすら食いついていく「キノコキラー」だそうです。

万一、キノコ栽培工場に入りこんでしまうと、「全滅」させてしまうくらい強力で、周り

にキノコ栽培農家がないことを確認して使ってください、とのことでありました。

無料で分けていただいたけど、対価として、「データ」をお渡しする約束であります。

で、この「Gliocladium spp1466」は、発芽した時が一番定着率が高いとのことで、

とにかく発芽させなければ、と。というわけで、「培地」から作成です。

「培地」の材料。ジャガイモです。しっかり皮をむいて、ジューサーにかけて、そこに

寒天をまぜて

鍋でとろとろ煮込んで

バットに流して、その上から、ブドウ糖の溶いた熱湯をふりかけて「培地」完成!

冷めてきたら、ここに頂いた「Gliocladium spp1466」の胞子塊をふりかけて。

一週間ほど置いたら・・・・・・見事に発芽!菌糸まみれですごい状態に。

赤いのは何だろうね?違う種類のカビだろうか。

じゃ~ん!ケンコー・トキナーという光学機器メーカーが時々ネットでバーゲンをやるの

ですが、この前3,500円で買った「デジタル顕微鏡」

本当の顕微鏡は教室に何台もあるのですが、すぐにパソコンのモニターで見られる簡便さ

は、この「デジタル顕微鏡」にはかなわないのだ。

で、さっそく見てみると・・・・菌糸がしっかり育ってます。

そのうえ、新たに胞子もできている模様。

さて、これを水の入ったバケツに入れて

しっかり培地を砕いて攪拌して懸濁液を作る。

で、桜のキノコをドライバーで剥がした後に塗りたくる。

ちなみに、これがドライバーで引きはがしたきのこの山。2~3キロはあったと思うよ。

さあ、結果は来年だね。うまくいってくれるとよいなあ。