とにかく、毎日地獄のように忙しい。昔は目が回りそうに忙しいときは、

一瞬目をつぶると、脳裏に川の土手の景色や、森の景色が浮かんで来

るので、これ幸いと「瞬間現実逃避モード」を作動させていたが、最近は

目をつぶらなくても映像が勝手に浮かぶようになってきた。これは、あ・ぶ・な・い・・・・・

 

というわけで、「不要不急」とすでに言えなくなってきたのでは?と、福島

山中をほっつき歩くことにしたのであります。

 

で、誰も、だれ~もいない、福島山中。(一応、放射線測定装置ももって

行って測定いますが、柏の半分くらいです。念のため。福島は、実は、

ほとんどの土地はもうすでに安全地帯です。ただ、ほんの一部、原発の

北西方向に高濃度汚染地帯があるだけになっています。立ち入り禁止

区域なのでもちろん入ることはできませんが・・・・・)

さあ、水場で炊事を。

今日の夕餉は「チゲ鍋」でございます。福島山中は、まだまだ夜は

寒うございます。ひとり山中で食べる鍋も染み入るようにうまい。

いつも、夕飯なんて忙しくて時間がなくて15分くらいで丸のみにしている。

だからゆっくり味わっておいしいものを食べていると、不覚にも感動して

落涙してしまいそうになる。「う、うめえよぉ~」と一人雄たけびを上げながら

食べているオヤジを山中の獣たちはどう思っているのだろうか。

さて、この後、車中に布団をしいて横になる。風が意外に強く、ザワザワ

という、木々の葉擦れの音がちょっと大きかったが、まあ、自然音だか

らね。いつの間にか、心地よいBGMになって、気づいたら、7時間たっ

ぷり寝ていた!いつも5時間くらいだから、熟睡感半端なし。

 

すがすがしい朝だ!ちょっと風が強く、テーブルクロスが飛ばないように

ペットボトルに水を入れて重しにしてある。食パンに塗ってあるのは、例の

「自家製桑の実ジャム」である。いつもおいしいけど、こんな環境だと

ますますおいしい。アントシアンいっぱいで健康にも相当良いと思われる。

さあ、食べ終わって、後はひたすら、何も考えずに山中をほっつき歩くぞ!

もうね、新緑香がむせるようだね。深呼吸しまくり。こっちも一年分の新緑香

を体にため込むつもり出来ているからね。

まず、ここに来たら、なんといっても「男沼」 周囲1キロにも満たない

小さな沼だけど、とにかく美しい。まるで宝石みたい。「美しい女性の

姿に変化できる大魚の主」が住んでいる、という伝説が残っている。

ずっとここに居たいです。住み込んでしまいたいです。

 

男沼の良いところは、「水場」があるところ。

例によって、この水でコーヒーを・・・・

ああ、誰もいない山中で、新緑香と淹れたてコーヒーの香りを楽しめる

のは至福だなあ。心の澱が溶けていくような感じがするなあ。

飲んだ後、またたくさんコーヒー淹れてポットに入れる。さあ、また出発だ。

次は、ここから30分くらい歩いた「仁田沼」だ。その途中も、また

新緑香が強く漂う森林帯で、なんかたまりませんな。

「仁田沼」は遷移が進んでいて、ほとんど「湿地帯」と言っていい

くらいの沼。近くには「水芭蕉群生」ができている。

湿地には、足場がかけてある。この先っちょで「カッコウ」の鳴き声

を聞きながらしばしたたずんでしまいました。緑が本当に目に鮮やか

だね。

途中、休憩用のテーブルにて。双眼鏡を置いておいたらザトウムシ

が上ってきた。

 

本当に、ほとんど人がいない。時々、私がいなくてもこの恐ろしいくらい

静寂で美しい景色は実在しているのだろうか、などと馬鹿な考えが浮かんで

しまう。

もう、本当に湿地帯だね。

緑って、本当に落ち着く色だよね。これはもう、DNAに深く刻みこまれて

いるんだろうねえ。

 

さて、最後はかなり大きめの「女沼」へ向かう。ここは車で行けちゃうよ。

ついでにお昼なども。

ここには、近くに「思いの滝」というのがあるのだ。会津城落城の際の

里娘と若武者との恋物語が名称の由来だそうだ。

 

左上の滝と、右下の滝。この二つが織りなす景色を、先ほどの

二人とかけたのだろう。秋の紅葉の時もぜひ訪れたいね。

さて、滝から戻ってきて、高台に上る。先ほどの女沼が一望だ。

ここも、秋の紅葉の時はすさまじい景色になる。毎年ほぼ欠かさず

来ているが、いつ見てもため息がでる。

あああ、大満足な福島行きであった。今度の紅葉時期も楽しみだね。

そうそう、帰りにスーパーで買った「鯉の甘煮」。けっこうしたけど、

美味しそうだったからついつい自分のお土産に買ってしまいました。

一切れ750円くらい。帰ってからすぐに温めていただきました!

すごくおいしく、また食べ応えもありましたぜ!鯉の「苦味」という

のは、癖になりますな。

↓なんだか、大口をあけた人の顔みたい。