最近、まともな休みを取っていない。旅行に行きたいよう。それも鉄道の旅。
最近、コロナの事があるので、とにかく鉄道は敬遠しているのだ。
だけど、やっぱり鉄道の旅は捨てがたい・・・・・
久しぶりに天気も良さそうだし、いっちょローカル線にでも乗ってみるか。
というわけで、何年か前に、チャリで行った鬼怒川沿いに、関東鉄道常総線
に乗って行ってこよう、と思い立ったのだ。
チャリで行ったときは、途中もの凄くお腹がすいて、たまたま川沿いの土手
ちかくで中華料理屋を見つけて「レバーステーキ」なるものを食べた。
なかなか美味しかったので、またいつか食べたい、と思っていたのだ。
世の中「コロナ騒ぎ」で、街中の料理店には厳しいご時世。
ニュース番組で、とある銘店が、このコロナの影響で店を閉める事を取材していた。
その時、閉店する店主の方が「みなさん、もし、大事なお店があったのなら、ぜひ無く
なってしまう前にその店に行ってあげて下さい!」と言っていたのも心に残っていた。
「まだあのお店、あるのだろうか。」などと失礼な事も思いつつ出発したので
ございます。
さて、東武野田線(アーバンパークライン)、つくばエクスプレスと乗りついて
やってきました守谷駅。そしてここから一両編成のローカル線、関東鉄道常総線
に乗るのである。
この運転席の「かぶりつき」が最高である。ああ、鉄道の旅はいいなあ。
移りゆく車窓を眺めながら、ちょっと一杯とか、最高にいい。
私は、芸能人には全く興味がないが、唯一親近感を覚える上、感謝して
いるのが、かの「六角精児さん」である。彼が広めた「呑み鉄」という言葉
がなければ、車中の一般の人からみれば、私など単なる「ヤバいアル中オヤジ」
に違いない。しかし、最近は心なしか、ボーっとしながら酒呑んで車窓を
眺めているおじさんにも、人々の目は「なま暖かい」ような気がする・・・・・・
「あ!このおっちゃん、あっちの世界に逝っちゃってるな!これがかの有名
な『呑み鉄』か。けど、人畜無害そうだしそっとしておいてやろう。」的な。
で、今回もさっそく、バックから焼酎を取り出し、あまり人に見られないように
気を使いながらちびちびと・・・・・・「ああ、六角さんなら車窓を肴に一杯やる
この気持ちをわかってくれるだろうなあ。」とか思いながら。
で、まったく私のミスだったのだけど、この列車は「水街道駅」で終点になって
しまった。この先まで行かねば、例の中華店にはいけそうにない。
まあ、けっこう間があるが、下館方面行を待とう、とか思ってホームにいたら・・・・
なに、この一団。
この赤い人は・・・・
拡大すると・・・・ あれ?
あれれれ?六角さんだよね?最初、「ああ、とうとう自分の頭が壊れたか。」
と酔った頭で思ったね。酒による幻覚か、統○失○症でも発症して、極端な
「関連付け」(何事も自分に関連付けて考えてしまう)でも起こしているのか、とかね。
けど、これはどうみても「六角さん」だよね。写真にもちゃんと写っているから幻覚
という事はきっとないよね。
引き寄せの法則って、本当にあるんだね。
たぶん、NHKの「呑み鉄」の収録なんだろうなあ。けど、ほとんど一年ぶりの
列車の旅で、こんなローカルな場所で、同じ「呑み鉄」の六角さんと出会える
なんて、いったいどんだけな確率なんだろうか。
で、乗換の列車が来た。一両編成。
たった一両だから、もちろん同じ箱の中。
「いつもテレビ見てます!」くらいの声をかけたかったけど、小心者なので
遠くから隠し撮りしかできませんでした。ごめんなさい。
運転席。運転手さん、かっこええなあ。
で、これは急行で、次の「石下駅」で下車。すると、この一団も一緒に降りた。
つまり、彼らと僕は「『水街道』で一緒に乗り、『石下駅』で一緒に降りた」のだ。
拠点駅の「水街道駅」でたまたま乗り合わせたのはまだ理解できる。だけど、
ふつう何にもない「石下駅」で降りるか?本当に何にもないんだよ。石下駅。
ただ、これ以上一緒だと、「おやじストーカー」とか思われそうなので、断腸
の思いでひとり鬼怒川の土手に向かうのであった。思い切って勇気を出して
「サイン」でもねだればよかったね。
で、これが石下駅。
駅前のお店もローカル色が濃くていいなあ。
この旅館。安すぎませんか?
さて、鬼怒川到着。
これから、この土手を下流に向かっててくてく歩くのだ。
とちゅうにある「決壊の跡」の碑。そういえば、このあたりは「常総水害」
があったのだね。もうあれから5年か。温暖化のスピードを考えると
今後こういったことは多発するんだろうなあ。
遠くに、お城も。これは「常総市地域交流センター」で豊田城と呼ばれて
いるそうです。もしかしたら、六角さんが下りたのは、この城にでも行った
のかしら。まあ、いつかやるだろうNHK BSの「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」
が楽しみだね。
さて、そろそろ例の中華料理店がありそう。でいったん土手を降りて、と。
ああ、ここらへんの古い民家の裏手など、いいなあ。
これは、瓢箪か。なつかしいなあ。まだ水筒に使っているのかなあ。
で、ぶらぶらと歩いて、とうとうかつて来た「中華料理屋」発見!
ああ、懐かしい店内。
時間は1時半だったせいなのか、お客は私一人だった。
前に来た時は、ほぼ満席だったはずなんだけどね。
もちろんすぐにビール注文。あれ?窓際になにやら・・・・・・
ああ、招き猫だ。うちの教室にもあるから、ちょっとシンパシー。
で、さっそく、前回も頼んだ「レバーステーキ」などを。
ああ、あの時の懐かしの味だ。美味しいっす!
帰る時は、私があまりに美味そうに食べていたからか、店主と奥さんと、
お手伝いしていた娘さんが厨房から出てきて見送りしてくれた。
家族経営なんだね。こういう店はいつまでも残ってほしいと心から
思った。またいつか、きっと来よう。
また土手に戻っててくてくと。
ススキの原っぱが綺麗だね。
さて、とりあえず、ちょっと昼寝。暑すぎず、寒すぎず、気持ちいいなあ。
酔いも手伝って熟睡タイム。
目を覚まして気力充実。またてくてくと土手を歩く。アスファルトの上を
茶褐色のコカマキリが歩いている。
おっと、こちらはトノサマバッタのペア。もちろん、下の大きい方が♀。
大きくてたくましい奥さんに必死にしがみついて、♂はきっと幸せなんだろうなあ。
ところどころ、川に通じる道もあり、川面を直接眺める事もできる。
草むらで見かけた、何かの実。実だけ見るとノブドウに似ているなあ。
お地蔵様。川辺にはお地蔵さまがよくいらっしゃいます。
明治時代からあったのですね。今から140年前。このお地蔵さまは
いったいどれだけの景色を、人々の移ろいを見続けて来たのだろう。
さて、そろそろ日が暮れる。
沈む夕日
反対側を見ると、ちょうど満月が上がってくるところだった。まさしく
沈む夕日と「対面」している。太陽が月を正面から照らして満月に
なっていることが一目で理解できる景色だ。太陽・地球・月の
天体の運行、位置関係が可視化される瞬間。こういう時に、人間は
その小さな頭蓋の中で、広大な宇宙を感じる事ができるのだ。
さて、やっと「中妻駅」に到着。
さあ、帰ろう。
今日も盛りだくさんの良い日だったね。