あの「学力と経済学」の中室教授の講演がある、というので

新浦安まで行ってきました。

中室先生の「学力と経済学」は、一時、かなりブームに

なったから知っている人も多いでしょう。

書いてある内容は

① あまりに「主観的」な手法がまかり通っている「教育」に科学的

手法を取り入れよう。

② 上記の「科学的手法・検証」を「教育」に施した結果、幼児期に

おける教育の「経済的投資効果」は絶大である事がわかった。

つまり幼児教育にお金をかけると、あとあとすっごくお得ですよ、って

こと。特に、認知能力よりも「非認知能力」の強化が、その子のその後

の人生に大きな影響を与える。

 

という、2点が柱になってました。まあ、かなり説得力のある本では

あったのですが、では、その「非認知能力」向上のため、幼児教育

で何を行ったら良いのか、という点については具体例があまり書か

ていなかった気が・・・・

(※ 認知能力とは、算数、読み書きのような、数値化されやすい能力。

ひらたく言うと「IQ」ですね。

これに対して「非認知能力」は数値化しにくく、認知され難い能力。

たとえば、「自己制御」とか「貫き通す力」とか、まあ「根性」ですね。

また、「コミュニケーション能力」もこれに入ります。)

 

で、この日の講演。

面白かったのは、「ゼイネップのタイム・マシン」というトルコの実験

結果が披露されたこと。

「非認知能力」の中で特に重要なものに「自己制御」というのがあります。

たとえば、それはかの有名な「マシュマロ実験」で理解できます。

5歳児に「マシュマロあげるね。けどおぢさんが帰ってくるまで食べないで

待っていられたら、もう一つあげるよ。」という実験。15分後に、実験者

は帰ってくるのですが、その時、子供たちは、「我慢できずに食べちゃった派」

と「我慢して食べずに待っていて、マシュマロもらえた派」に綺麗に分かれた。

その後、それらの子供たちをうん十年にわたって追跡調査するのですが、

「我慢した派」は人生において成功を収めていた、というお話。

つまり、マシュマロを後に「2倍」にできた生徒は「自己制御」ができた。

そしてこの能力は、生涯、その子供の夢の実現につながっていく。

でも、その「自己制御」とは、なんなのか?これは、「未来を想定する

能力」と言えるでしょう。つまり、自分が、今、我慢してマシュマロを食べない

ことによって、将来、もう一つのマシュマロを手にすることを想像できる力、

なわけです。

一般社会でも「ここで勉強を頑張ることで、将来、○○を成し遂げる」こと

が想像できるかどうかがその生徒の将来を分ける、と言えるかもしれません。

もう少しいえば、「メタ認知力」のバージョンアップ版、と言えるかな。

(※ メタ認知力とは、客観視のもう一つ上の概念。つまり、自分が

あることを認知していることを、さらに上部から認知している、感じ

です。「魂を外部に飛ばして、上部から自分自身の考え、行動を観察する。」

ような感じですね。)

このメタ認知を時間軸方向のベクトルに伸ばして、将来の自分を客観視

できるかどうか、という事ですな。

 

で、「ゼイネップのタイムマシン」というのは、自転車が欲しいトルコの少女、

ゼイネップが、タイムマシンに乗って(乗ったと想定して)、将来、自分が

お気に入りの自転車に乗っているところを体験させるのです。(もちろん、

想像ですけどね。)ただし、子供たちには、工作や、お絵かきで、かなり

リアルに「タイムマシン」を作らせておく。子供たちは、「ゾーンに入る」

ような状況で、未来に行くことになります。そして、その後、「では、あの

素晴らしい未来に行くために、今、あなたは何をする必要があるのでしょう?」

と考えさせる。

このトルコの実験は相当に効果を発揮し、実験後も長期間効果を持続

し続けているそうです。

 

これは、私の私見ですが、この「自己制御」だけでなく、「非認知能力」全般

の力のバックボーンは「メタ認知力」がかなり重要な役割を担っているのでは?

とか思うのです。

例えば、「コミュニケーション能力」だって、自分が他者にどう見られているか、

を客観的に考えられるかどうかがカギになるしね。まあ、ここらへん、いつか

機会があったらつらつら考えていることをまとめて書くつもりです。

 

さて、いろいろ得るものもあって、会場のホテルを後にしたのであった。

で、せっかく浦安まで来たのだから、海を見ようと、てくてく海に向かって

歩くのであった。

川沿いの道を海に向かっててくてくひたすら歩く。

このままずっと行くと河口のはず。

おお、いよいよ河口だ。小雨まじりだけど、気にしないのだ。

で、ここからは、海岸線をてくてく歩くのだ。

はるか向こうに・・・ヨットかなあ?やたら巨大だぞ。

ソーダ水の中を、貨物船がゆうく~ ♪ ユーミンの歌、知っている人

いるかしら。

さて、いつものように、「ちょい飲みセット」を出す。

で、ひとり飲んでいると、色違いのハトなどが。

ワサビ味の柿ピーの柿の種は、一口食べて、すぐ吐き出していた。

しかし、ピーナツは喜んで食べていた・・・・・・・

一杯飲みながら海辺でハトと遊ぶ、まったりとした昼下がり。

 

さて、お腹空いたし、そろそろ駅に戻ろうかね。途中のバス停。

すごくいい感じの名前だね。

おお、植わっている植物も、南国のものだね。

途中、やっと食べられる所を見つけた。

海鮮丼。1200円。ネタがもの凄く新鮮で、お値打ち。

で、新浦安に無事到着し、電車で家に帰ったのであった。

盛りだくさんの充実した一日だったね。