さて、荷物を置かせてもらって夕刻の漁港に繰り出す。
ああ、本当に漁港だなあ。赤さびた係留ボラード
小さな漁船も。
これは、津波のためのものだろうか・・・・
ちょっと登らせていただいて、と。夕靄の中の漁港。
で、なぜか、この小さな漁港に温泉があるのだ。
中の土産物屋さん。
風呂に向かおうと暖簾をくぐると・・・・・
風呂までの通路に、この町のいにしえの写真などが・・・・・・
この人たちは、いったい何をしていた方々なのだろう。今も存命
であらせられるのか。僕の全く知らなかったこの漁港で、どんな
人生を歩んでいらしたのだろう。一人一人の来し方行く末に
思いを馳せてしまう。
風呂の写真もお見せしたかったけど、さすがにそれは無理そうで。
でもなかなか良いお湯でしたよ。
で、もうとっぷりと日が暮れたころ、温泉を出て宿のお兄ちゃんが
教えてくれた、「地元の人が良く利用する美味しい魚を食べられる
お店」を目指す。
ああ、外はとっぷり日が暮れているなあ。
けっこう歩いてやっとその店、「貴乃」にたどり着く。まずビール。風呂
上りは美味いのう。で、大変に失礼だったのだけど、お腹が空いていた
ので、最初に刺身定食を頼んでしまった・・・・
で、お腹がある程度膨らんでから、単品刺身を・・・・(はい、普通と
逆です。)
美味かったのは、このクロムツの刺身。もっちりとして非常に美味。
クロムツって、こんなに美味しかったんだね。鮮度抜群だし。
で、十分満足してから、漁港からちょっと外れた浜に向かう。おっと
途中でコンビニがあったので、しっかりつまみと酒を買ってね。
そう、今日は中秋の名月の翌日で、かつ、満月の日なんだ。
ついた時は、あいにく雲がかかっていたよ。けどこんな時は絶対に
晴れてくれる。
で、一人で飲みながら亡くなった教授の事などをとりとめ
もなく考えておりました。在学中はいろんなことがありました。
それでも、卒業後、少しは研究室に遊びに行って、先生と酒
でも酌み交わしていれば良かった。
ああ、本当に雲一つない満月の夜になったね。太古の昔からの
「お月見」、「月見酒」という習慣は、心から腑に落ちるものだと思う。
時間の概念が遠くなって、何時にでも心を馳せられそうだ。
これが月の魔力なんだろうなあ。
かなり飲んで、帰ろうとしたけれど、知らない夜の街で結構迷った。
それもまた楽しからずや、だ。月夜の晩の、初めて立ち寄った
港町の街並みがやけに新鮮だったからね。
ちょっと千鳥足でやっと宿に到着。
夜の宿も結構雰囲気あるね。
で、この晩は、酔いつぶれるように寝てしまいました。
ただ、線路が近いので、電車が通るたびにうるさくて目が覚める。
そうだ。宿の主人に耳栓を貰っていたんだ。で耳栓をして、いろんな
夢を見て朝を迎えた。
続く