さて、いよいよ新緑の季節も終盤だ。近隣の植物の匂いは、淡く繊細な「新緑」から

もっと力強い「緑葉」や「夏草」のものに代わってきている。 梅雨がはじまると

これに湿った土の匂いが加味されて森はえも言われえぬ匂いになる。

まあ、ブレンドの妙ですね。そう、この時期、森で私は「クンカクンカ星人」になって深呼吸

しまくりである。いつか通報されるかもしれない。

 

さて、この時期、繊細な「新緑の匂い」を純粋に楽しみたいなら、北に向かうか、標高の

高い山に行くか、ということになる。

で、いつも「新緑最後のしめ」に私が選ぶのは、福島山中の「不動湯」と決まっているの

だった。ただ、今年は一つ心配が・・・・・

ちょっと前に、ここの温泉がBSではあるが放送されたのだ。「美しい日本に出会う旅」という

番組なのだが、そこでここの温泉が紹介されたのだ。ただでさえ小さい温泉が、人が殺到し

ていたらどうしよう、と危惧したのだ。

 

で、とにかく到着。

あれ?こんなのこの前までなかったぞ。

で、開けてびっくり。おかみさんが長椅子で寝ていた!

「ど、どうしたんですか!」と言ったら、「お客さんが来なくて寝てた。」と。

「え?だけどこの前テレビで紹介されてたじゃないですか?」というと

「あらヤダ。見てくれたの?だけど、人がたくさん来たのは放送直後だけ

だったねえ。」と・・・・

こっちはその方がいいけど、それでいいのか!?

で、おかみさんと、旦那と、娘さん。そしておとなしい愛犬。まあ、テレビに

出たくらいだから顔出でもかまわないだろうね。

しかし、本当に緑だらけだよね。

周囲はこんな感じだからね。新緑の匂いに、温泉の匂いが混じって

なんとも言えない気持ちになる。

で、さっそく温泉。この長い階段を下りて行くのだ。

この入り口はまさに「どこでもドア」みたいだね。そのまま向こうに

「ドライアド(森の精霊)」とかいそうだん。

このまま谷底に降りて行くと、そこには「渓流露天」とでもいうべき露天風呂が。

階段途中には、「空中風呂」とでもいうべきヒノキ風呂があるのだった。

午後4時についたのだが、結局閉店の5時までお客は私一人で、まったり

できたが、やっぱり営業的にこれでいいのか??

で、駐車場をお借りして、車中泊。

まず、前菜に、「レバーのキャベツ炒め(我流)」ニンニクをきかせたパンチの

ある味。

で、メインディッシュは例によってステーキなど。

ああ、腹もくちたし、ほろ酔い加減で気持ちよく寝入ってしまいましたとも。

新緑の匂い漂う夜の山中で寝られるなんてなんて幸せ。

 

つづく