ちょっと前の話になってしまいましたが・・・・・・
上野科学博物館で「人体展」をやっていて、一人ぶらぶらと行ってまいりました。
ただ、中は「撮影禁止」のオンパレードで、紹介できることがほとんどない!
数少ない「撮影可」のものだけご紹介いたします。
これが有名な、「タモリ人体解剖模型」 完全なNHKとのタイアップ企画だと
わかりますね。
凄かったのは、これ。発掘された縄文時代の人骨です。(女性)
これに、粘土を盛って復元、とか言うのは、昔の話。今は、実際に歯から
DNAを取り出して、遺伝的特徴を再現して複製するのです。
これが復元模型。
そこらへんに居そうなおばちゃんですよね。
人体展では、第一会場が、「医学史」そのものだったような気がする。
ヨーロッパでの医学の芽生えの時期から、その発展過程がずっと展示されているのだ。
特筆すべきは、ルネッサンス期である。信じられないような精密さで人体が描かれている。
ヨーロッパの先駆性に打ちのめされるなあ。日本では鎌倉や室町だったあの時代に、
とんでもない合理性で詳細な人体図や人体模型を作り、各臓器の働きまでを考察して
いたのだ。ダヴィンチもその天才をいかんなく発揮し、気持ち悪いくらい写実的な人体骨格図や
筋肉図等を描き残している。
さて、そして進歩の果ての現代では、「臓器」に対する考え方が次第に変わってきた。
つい最近までは、人体の中枢は「脳」であり、「臓器」は、基本的にスタンドアローンだが
支配は脳の下であり、いろいろな指令を脳から受け取っている「主従関係」と思われて
いた。しかし、最近は、「臓器」それぞれが、かなり独自性を持ち、化学物質を介しての
各臓器との「対話」によって、ネットワーク総体である「人体」の活動を支えている、という
考え方。臓器が分泌する化学物質は、とんでもない種類が発見されてきている。
これは、私たちが会話をする「言葉」にあたるものなのだ。各臓器が必要に応じて
その化学物質を血中に放出、それを受け取った脳をはじめ他の臓器が反応を示し
活動を開始する。活動を開始した臓器がさらに化学物質を放出し、多臓器との「会話」が
成立する。
これは非常に面白い。コミュニケーションが化学物質であるのは、実は、生物界では
普通だ。私が大好きな新緑香も、おそらく、植物どうし、もしかしたら昆虫や動物にも
働きかける化学物質からできた「言葉」かもしれない。
さて、人体展は、これを可視化していた。こんな感じ。(これは撮影可、だった。)
上にある丸いのが、それぞれの臓器。臓器が化学物質を放出するたびに、光が
点滅、分散し、人の声で「ブドウ糖が足りない!」みたいにアナウンスが流れる。
本当に凝った作りだ。ここら辺は、さすがNHK。生まれ変わったら、NHKの大道具係
になりたい。
で、暗いけど、動画も。デジカメ、静止画はかなり高感度になったけど、動画はまだそこまで
感度は高くない。
写真はあまり撮れなかったけど、「人体展」なかなか良かったです。