さて、またまた実験です。この前はたこ焼きイベントだったけど、生徒がまた

「実験やってよう」とかしましい。では、教室で夕焼けでも見せてあげるか・・・・・

 

さて、まず、「光、特に白い光とは何ぞや」から生徒には話始める。

で、自転車の反射板登場。

この反射板、実は、プリズムでもあるのだ。光をあてるとあら不思議。虹が現れる。

良く天気の良い日に駐輪場で路上に虹を見ることがあるのは、じつはこの反射板の悪戯だ。

暗くするとよりはっきりわかるよ。これで、「白い色は、実はいろんな色が混じっている」

と教えるのだった。知らない人が見たら「魔法アイテム」で光の妖精を召喚しているみたい。

で、これだけでは弱いので、もう一つ。

パソコン画面でメモ帳を開く。もちろん画面は真っ白。ここにルーペを置く。

このルーペは、一部拡大率が高くなっていて、そこの部分が色が違うのが

わかるだろう。

これでも色がたくさん混じって、白色を構成していることを実感させるのだった。

 

さて、ここからが、「夕焼の実験」だ。

だが、この実験、ある程度の長さの「水」が入る透明な入れ物が必要なのだ。

で、みんなペットボトルとか、細長いビニール袋を使うわけだが、どれもこれも

帯に短したすきに長し・・・・・ペットボトルだと、不透明なキャップ部分が光路の

邪魔をするし、ビニール袋だと、横にした時水が漏れがち。

で、アクリル板で水槽を作ろうと思ったのだが、図面を引いて、見積もりを作った

ら5千円くらいかかりそう。で、ぶらぶらと100円ショップに旅に出たのであった。

すると・・・・・100円ショップ恐るべし!まさに探し求めていた「透明な水槽」が

(300円ではあったが)置いてあった!本来、何かのショーケースに使うもので

あるらしい。ちょっと寸は足りないが、二つ直列に並べれば、まったく無問題!

あんまりにも欲しいものが目前に現れると、「神様ありがとう!」と言ってしまいたく

なるであった。

さて、これに水を入れる。ただの水だと、光は素通りしてしまうので、ある程度

薄く着色しなければならない。牛乳をつかう場合も多いが、(牛乳の粒がうまく

光を散乱させるのだ。)今回はもっと見やすい「フローリングワックス」を使った。

さて、本実験に入る前に、またまた予備実験。単色の光をスリットを通して

直進させられるこんな装置があるのだった。

ここで、各色の光に、それぞれの性質があることを見せる。

そう、この光を例の水槽に差し入れてみる。そう、青い光は途中で掻き消え、赤い光が

ずっと長く伸びているのがわかるだろう。これこそ、光の波長による性質の違いなのだ。

青い光は散乱しやすく、短い距離でエネルギーを失ってしまうのだ。その代わり、散乱

した周囲を青色に染める。

さて、ここまで子供たちに見せて、白色の色の光を例の水槽に差し入れたらどうなるか、を

考えさせるのだ。

①白い光はいくつかの色の光が混じっている。

②それぞれの色には性質の違いがあり、到達距離に違いが出来る。

さて、本命の実験だ!

ここに、強力ライトで片側から光を当てるのだ。おお、ビームサーベルみたいで

かっちょよいぞ。

じゃ~ん。ライトに近い部分は青に近い白。徐々に黄色になり、末端では

赤っぽくなっているのがわかるだろうか。

水槽に入れないと、ライトはこんな感じで白色に見える。

しかし、水槽を長く通過してきたライトは、こんな感じで見えるのだ。

これって、まさに夕焼の中の夕陽でしょ。上に見えるのは、水面に反射して

二重に見えているのです。

もう生徒は「夕陽だ、夕焼だ。」と大騒ぎ。

で、ちゃんと説明。昼間は、太陽が真上にあるので、白い光は空気の層を垂直ちかく

入ってくるので、進む距離は短い。だからほとんどの光は消えずに混ざって白色光になる。

ただ、それでも青色は一番散乱しやすいので、空は青っぽく見えるんだ。海が青いのも

同じ理由だね。

で、夕方。太陽の高度は低いため、光は斜めから差し込むことになる。

こうなると、光は空気の層を長距離すすむことになるため、赤以外のほとんどの色の光

は途中で散乱して消えてしまう。最後まで残る赤の光、これが僕たちの眼に入り、赤い

夕焼や夕陽になるんだね。

今回は、ちょっとまじめなお話でした。生徒達は大喜びだったね。

生徒が喜ぶと僕もうれしい。