真夜中、近隣の線路から大きな地響きのような音が聞こえてくる。
ズシン!ズシン!ズズズズズ
巨大ロボットが一歩ずつ、ゆっくりゆっくり歩いていくような音だ。
私は、好奇心の塊であるので、もちろん、カメラをもって出かけましたとも。
すると・・・・・見慣れた線路に見たこともない巨大な車両が止まっていて、
その周りにはたくさんの作業員が仕事をしていた。
これは、「保線」だ。つまり、電車が通らない夜中に、線路を補修しているのだ。
そしてこの巨大な車両は、線路の補修専門に作られた「保線車両」というわけなのだ。
数メートルの線路を補修し、そのあと、砂利に「ズシン」と強い圧縮をかけ安定させ、
直した線路の分だけ進んでいく。これが巨大ロボットが一歩一歩ゆっくり歩く音の
秘密だったのだ。
人の歩く速度より、ずっと遅いので、私は夜中、飽きもせずに眺めておりました。
別に鉄ちゃんというわけでもないのですけどね。
なんか、「真夜中のサーカス」みたいな、みんな寝静まった夜中に、
自分の知らない世界が動いている感が、たまらなくワクワクしますな。
宮沢賢治の「月夜のでんしんばしら」に通じるような気もしますね。