ああ、お盆休みが終わってしまう。
体調は万全ではないが、月も新月に近く、これを過ぎると
いつ星が見られるかわからない。
で、天気図とにらめっこ。いつも行くところは全滅。ところが・・・・
不思議なことに、「那須岳」あたりだけは、ド快晴の予報。
これは行くしかあるまいな。
10年ほど前は那須岳にも結構星を見に行っていたのだが、天気の
急変が多く、時々、地形的に突風が吹いてだんだん足が遠のいて
いたのだった。(ただ、好条件の時の那須岳の夜空は素晴らしく、
天の川なんて、「光る雲」のようにモクモク見える。)

で、早速重量100キロ以上の天文機材を車に積んで、かなり遅めの
午後2時半に出発。それも高速は使わないで下道4号をひた走った
のだった。国道4号は、完全な産業道路でスムーズに走れること
が多いのだ。実は那須あたりまでは高速道路と1時間は違わない。

栃木付近の国道4号。前方に虹がかかっているのがわかるだろうか。

4号
で、午後6時半、那須岳山頂付近に到着!この駐車場にはほとんど
人はいないぞ。

那須岳山頂付近
あれ?天気がおかしいな。う~ん、でも天気予報はド快晴だし・・・・
とりあえず、望遠鏡を組み立て、夕飯の支度。

で、本日の食事。いつものように、ビーフステーキ。付け合せは
ピーマンとしいたけ。栄養バランスも最高だ!

今日の夕飯
で、ココらへんで、星が見え始める。さすがに最近の天気予報は
よく当たる!食事のあと、30分程度集中的に星を見ていたら、
また曇ってしまった。この後、12時過ぎまで、晴れることなし。
仕方なく、1時頃、車中で寝袋を敷き、眠りにつたいのだった。
まあ、明日那須の山中でも散策するか。

と・こ・ろ・が・・・・・午前2時頃、水の流れる音で目が覚める。
ま、まさか、これは最悪の・・・・・土砂降りだった。
もちろん出しっぱなしの光学天文機材は全部ずぶ濡れ。
半べそ書きながら、土砂降りの中、一時間かけて車に機材を
詰め込む。午前3時、下山。

土砂降り
無理して、柏から那須岳まで来て、望遠鏡組み立てて、ずぶ濡れになって
また車に詰め込んで、その晩のうちに柏まで戻る。
ああ、これでは、何のために那須くんだりまできたのかわからない・・・・

明け方、どうしようもない睡魔に襲われ、2時間だけ仮眠。灼熱の
太陽に照りつけられながら目を覚ました。そして、午前9時、
なんとか、柏市に入った。あと自宅まで3キロだ。ああ、そしたらなんと・・・・・

車の警告灯がいっせいに点灯。その上、カーナビがついたり消えたり。
これは、車の電装系の故障だ。まあ、かなり無理をさせたからなぁ。
いつも車のメンテを頼んでいる修理屋に電話するも
お盆休みであった。警告灯がついても、後3キロは走ってくれるだろう、と
希望的観測。とにかく徐行運転で自宅まで乗り切った。
久々に生きた心地がしない運転であった。

で、そのまま自宅について、やることはエアコンの効いた部屋で快適に
寝ることではない。ずぶ濡れになった機材の整備である。

これ見て。これ、我がメイン天体望遠鏡の主鏡ですよ。口径46センチもある。
精度は光の波長の1/10という途方も無い高精度だ。それが、今、こんな状態。
泣きたい。考えられるありとあらゆる方法で、天文機材を乾燥させ、かたす。

鏡が・・・・・

これ、望遠鏡を天日干ししていた時の恐怖映像。
なんと、たまたま主鏡に太陽があたって、塾のひさしに焦点を結んで
しまった所。即座に気づいて方向を変えたが、このまま知らずに干して
いたら、間違いなく「火事」になっていただろう。口径46センチの鏡の
集光と言うのはそれほど強力なのだ。
昔、星祭で、日中冗談で同じことをやった事があった。ただし、焦点面
には、焼肉用の「肉」をおいたのだが・・・・
瞬時に肉は「爆発」した。急激に温度上昇し、肉内部の水分が
水蒸気となって膨張したのだろう。この時はちょっと背筋が冷たくなった。
この望遠鏡で太陽を見たら、本当に「目玉爆弾焼き」が出来上がるだろう。
みなさんもくれぐれも望遠鏡や双眼鏡で太陽を見ないようにね。

今回、これで塾を火事にしたら、人生最悪の日、ってことになっただろうなぁ。

まあ、不幸中の幸いってことで、今日も良い一日であったとブログには
書いておこう。

焦点