アイソン彗星は太陽に接近しすぎて自爆してしまった・・・・・・
しかし、実は神様は保険を用意してくれていたのであった。
最近にしては、かな~り見事な尾を伸ばした彗星「ラブジョイ彗星」
を遣わしてくださったのだ!尾が伸びる彗星が同じ時期に立て続け
に現れる事なんてめったにない!というわけで、ラブジョイ彗星を
見に茨城県かすみがうら雪入に向かう。
彗星は太陽に接近するときに、その高温で融かされ蒸発し、「ジェット」
と呼ばれるガスを噴出するようになる。また、強烈な太陽風や光の
圧力でそのガスが吹き飛ばされ、いわゆる「彗星の尾」になるのだ。
(つまりあの「尾」は風にはためくノボリのようなもので、彗星の進む
推進力なっているわけではないのだ。)

つまり、太陽の近くにならなければ彗星は見事な尾がでてこない、
という事になる。これが彗星が明け方や夕方の低い空、太陽方向に
ある事が多い理由だ。昼間は太陽の近く、高い位置にあるのだが、
太陽の光が邪魔でもちろん観測できない。観測できるのは昼と夜の
境、ということになってしまうのだ。

で、ラブジョイ彗星。ご多聞にもれず、見ごろは明け方。
出発は土曜の深夜1時となった。現地着が2時過ぎ。
仲間2人がすでに待機していた。
ところが・・・・・さあ、見え始めた、観測だ、という
4時過ぎ、空を一面雲が覆い始めた!
それも絶望的な雲量。気の早い仲間の一人は「ダメだこりゃ」と撤収を
はじめた。
しかし、天は我らを見捨てなかった!薄明(日の出前の明るくなり始め
る時間)まで20分を切ったころ、突然、彗星付近の雲が切れ始めた!
そしてその切れ間から彗星が顔を覗かせたのだ!
雲の隙間に 
え?わからない?では印をつけてあげよう。ちゃんと尾もみえるでしょ。
雲間からラブジョイ2 
その後はどんどん晴れて行ったのだった。
写真はかんむり座とラブジョイ彗星。
かんむり座とラブジョイ 
え?かんむり座もわからないって?
親切な私は白線を引いてあげましょう。
かんむり座とラブジョイ2 
ついでに望遠にして拡大します。
ラブジョイ 
帰るころ、そらはまた雲が覆い始めた。
まるで、劇場の舞台幕のような雲だった。僕らに
ラブジョイを見せるためにカーテンが開き、終わったら
閉める。なんて律儀な演出なんだ!神様の粋な采配と
しか思えない。

しかし、出現頻度から言うと、当面、尾が伸びる本格彗星は
望めないだろうなぁ。