お袋の故郷が岩手の三陸である。
津波や病気で亡くなった親類が続き、墓参りということで
久しぶりにこの土日、家族で岩手に向かった。
下は何事もなかったような海。実は・・・・・
ここはかつて堤防だらけの浜だったのだ。幾たびの「歴史的津波」に襲われ
おそらく日本が最大の富を蓄えた時代に、人知を尽くした、まるで万里の長城
を築くように防波堤が造られたのだ。
それが、ほとんど流され、まるで、人が居なかった時代のような景色に変わってしまった。
ここは大船渡市の綾里湾といい、津波は40mの高さに及んだそうだ。
鉄筋でかなり頑強にできていたため、なんとか残った漁協の建物。
ただ、人の力はやはり凄い。この小学校は、もろに津波の被害を受け、校庭は
ガレキだらけだったのだ。その悲惨な状況はテレビでも何度も報道されたので
ごらんになった方も多いだろう。だがごらんのように、もう今は、まるで何事もな
かったようだ。
岩手と福島、その復興の違いは、原発事故につきる。
原発事故さえなかったら、福島はまったく違った復興の軌跡を描けたことは間違
いないだろう。
こういったところで書くことではないのかもしれないが、事故によって国土の一部
を無くすに等しい状況を作り出すものに依存し続けることは、はたして正しいこと
と言えるのだろうか。
日本は間違いなく地震・噴火の大活動期に入った。千年に一回の日本の「大厄」
と言っていい。千年前は、貞観地震・貞観津波(千年前の東北大震災)の後、
20年かけて大地震・大津波は日本を縦断していった。人々の生活を破壊し尽くし
ながら。この千年前の「大厄」の時には富士山も大噴火している。(貞観大噴火)
自然は周期を持っている。
これから日本には、当時と同様なことが起こるだろう。
地震・津波・噴火、大災害のオンパレードというわけだ。はたして今の
原発がそれに持ちこたえることができるのか?あの防波堤を一瞬のうちに
消滅させた力を、どうやって防ぎきると言うのだろう。
「電気代上がるから絶対原発を存続させる!原発は安全なの!」と言っている
方々に是非聞いてみたいものだ。
それでも海に続く「綾里川」にサケが戻ってきていた。地元の方に聞いたが、昨年は
さっぱり、だったそうだ。自然も急速に回復してきているのだなぁ。
さて、80過ぎのお袋を連れてなんとか柏駅まで帰ってくると・・・・・
なんとそこには、その日の朝、岩手で挨拶に行った親戚のうちの
孫娘が!「こんな所でなにやってるの~」と声をかけてきた。
隣の町に住んでいるのだが、めったに、本当にめったに会うことなどないのだ。
薄情者の私など、彼女に今まで2回しかあったことがない。(これで3回目か)
こういうの、確率的にはどのくらいなんだろう・・・・・(写真右。左は僕のお袋。)
気になっていた墓参りも済ませられ、高齢のお袋も満足してくれたようで
まあ、良い旅だったと言えるか。(僕はえらく疲れたけど・・・・・)