「HOUSE ハウス」
88分 日 1977年
監督 大林宣彦
製作 大林宣彦 山田順彦
脚本 桂千穂
音楽 小林亜星 ミッキー吉野&ゴダイゴ
撮影 阪本善尚
出演 池上季実子 大場久美子 松原愛 神保美喜
佐藤美恵子 宮子昌代 田中エリ子 尾崎紀世彦 ほか
【完全ネタバレ】
「いや~ん、Hっ!アフターG」。☆☆★★★
〔ストーリー〕
夏休みを利用しておばちゃまの羽臼(はうす)屋敷を訪れるヒロイン“オシャレ”と6人の友人。だが、おばちゃまはすでにこの世の人ではなく、戦死した恋人への思いだけで存在し続ける生き霊だったのだ。
そして若返るためには少女を食べなければならない。
ピアノや時計が少女たちを次々に襲う。羽臼屋敷は人喰い屋敷と化していたのだった・・・。
CF監督として活動していた大林宣彦監督によるホラー・コメディ映画で、初劇場用映画監督作品。
ウィキによると、
「当時は東宝のようなメジャーな映画会社の映画を、映画会社の社員でない監督が製作するというのは有り得ない時代。
とかくテーマ主義に走り、映像への配慮があまりなされていなかった当時の日本映画の中でポップな色彩とおもちゃ箱をひっくり返したような華麗な映像世界は世の映画少年を熱狂させた。」
のだそうだ。
もう、・・・ひどい(笑)
冒頭20分は、当時でも赤面ものではなかったのか。
あれがまかり通るほど、当時は純粋だったのか・・・。
まぁ、確かに1977年。
アイドルが下ネタなんてあり得ない、女の子がキャピキャピしていた時代か。
当時の若い男たちは喜んで観たのかもしれないし、いい思い出の一本なのかもしれない。
1970年代のアイドル映画の一つ、それ以上でもそれ以下でもないと思う。
全編を通して、観ていて恥ずかしくなる。
もう、コントだよ(笑)
それこそドリフターズが「8時だョ!全員集合(1969~1985)」で、アイドルと大きめのセットでコントをやっている感じ。
漫画原作の雰囲気があるんだけど、そうではないみたい。
可愛い七人の少女があだ名で呼び合いながらドタバタやる展開や、ヒロインのパパが仕事で海外を飛び回る音楽家という設定や洋館が舞台であるところが何か少女漫画っぽいなと思って観ていた。
特殊効果が多様されていたり、背景には絵画を合成したりしてショットによっては面白い画が登場する。
あの手この手でいろいろな撮り方やつなぎ方をしていて、編集も凝っているなぁという印象。
ただ、もうアイドル映画で、セットもいかにも安っぽい。
尾崎紀世彦演じる東郷先生が階段をすべり落ちるシーンはストップモーションなんだけど、観ているこっちがみじめになる。
ヒロイン・オシャレの父の再婚相手を 、鰐淵晴子(わにぶち はるこ)が演じていて常に長いスカーフを巻いているんだけど、どうって事ない座っている時でも常に風にあおられ揺れている。
わざとやっているのか、もう笑えてくる。
「何かあるだろう、何かあるんだろう」と信じつつ迎えたエンディング・クレジットは、池上季実子のプロモーション・ビデオと化し、最後の最後までもう・・・ひどい(笑)
いくら友情出演が豪華だろうと、パロディーやスタッフの起用の仕方が当時斬新だったんだとしてもこれはチビしいな。
救いは、七人の少女たちが可愛いしヌードシーンもある。
また、時代を感じるファッションや街並みも観ていて面白い。
当時まだ無名だったというゴダイゴのボーカル、タケカワユキヒデが歌う曲も当時の雰囲気をさらに感じさせてくれて良かったなぁ。