デヴィッド・クローネンバーグのシーバース。 | 江戸の杓子丸

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「デヴィッド・クローネンバーグのシーバース SHIVERS」


94分 加  1975年

監督 デヴィッド・クローネンバーグ

製作 アイヴァン・ライトマン
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
音楽 アイヴァン・ライトマン
撮影 ロバート・サード
出演 ポール・ハンプトン ジョー・シルヴァー
    リン・ローリイ アラン・ミジコフスキー ほか




四面色魔。☆☆★★★



〔ストーリー〕
 人間の内臓の代りとなるべく研究されていた寄生虫には、人の理性を失わせるという隠された目的があった。
 
 寄生虫は人から人へ移っていき、舞台となるマンションの住民は次々と支配され仲間を増やしていく。




超B級映画でタイトルに「デヴィッド・クローネンバーグの・・・」となければ、観る人はほとんどいないと思う(笑)

僕も騙されたくち。


お話は、人間に理性を失わせる寄生虫が見つかり、ある学者があるマンションでその寄生虫を広めようとする。

寄生されまるで色情魔のゾンビと化した人々が主人公を襲う、といった感じ。


色キチと化した女の子に襲われるなんて最高じゃんかと思うけど、そう甘くはない(笑)

老婆に襲われたり、エレベーターで母娘が乗り込んできた男に襲われ、チンッと扉が開くと母親と少女が色情狂になってるというシーンはつい笑った。



この寄生虫は「なまこ」みたいな形をしていて、げろげろとホスト(宿主)となった被害者が吐き出すんだけど、「ハリー・ポッター」でハリーの友達のロンが魔法をかけ損ね、ナメクジを吐き続ける事になっちゃうけどあれに似ていて面白い。

主人公も襲われ、マンション中寄生虫の犠牲者となり色情狂集団となった人々がいよいよ外へ出て行くというラストシーンが「サンゲリア(1979)」みたいで良かった。

しかも、「サンゲリア」より早い!
さすがだなぁ。



製作のアイヴァン・ライトマンて、「ゴーストバスターズ(1984)」シリーズのあのアイヴァン・ライトマン?とウィキで見てみるとその通りでプロデュースもよくやる人なんですね。


DVDの特典では、なかなか長い監督へのインタビュー映像があって映画化への苦労が語られていた。

キャストはカナダ人のプロと素人の寄せ集めだったと語るけど、ほんとひどいカットはひどい(笑)




本当か知らんけど、あるメインキャストの女優スーザンがどうやっても泣けなくてクローネンバーグ監督にビンタして欲しいと頼んだそうだ。

泣かねばならないカットではいつも現場で仕方なくビンタし続けスタッフも唖然とするなか、ある日それを見た別の女優から胸ぐらを掴まれて脅されたそう(笑)