宮崎駿監督関連の漫画映画 その3。 | 江戸の杓子丸

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化け猫 杓子丸の大江戸見廻覚書





東映動画時代(1963~1971年)


【完全ネタバレ】



「アリババと40匹の盗賊」


55分 日 1971年


監督 設楽博


製作 大川博
脚本 山元護久
音楽 宇野誠一郎
撮影 井出昭一郎 町田賢樹
編集 千蔵豊 花井正明
出演 大山のぶ代 滝口順平 内海賢二 納谷悟朗 

   大塚周夫 田の中勇 ほか


宮崎監督は原画として参加。




☆☆★★★



アラビアにある「アリババ王国」。国王のアリババ33世は、かつて40人の盗賊団を倒し宝物を奪ったアリババの子孫であった。


少年アル・ハックはある日、彼につかえるネズミのカジルに「実はあなたはアリババに倒された盗賊団の子孫である」と教えられる。


ハックはかつて助けた38匹の猫と共にアリババ退治に向かうのだった。




宮崎駿監督の引退宣言はホントに残念でした。

ちょっと前まで宮崎監督が関わった映画でレンタル出来るヤツを観てたんですけど、まだあった(笑)



デザインがとても独特。
キャラクターデザインは正直あんまり好きになれなかったな。


ギャグが多い、まさにドタバタの漫画映画という感じ。
劇中歌がもっとアラビアンだったらもっと入り込めたかも。
すべてにおいて、どうもユルユルで中途半端だった。


宮崎さんがどのカットの原画を担当したのかインターネットで探してもわからなかった。
残念。





宮崎監督の映画は、たいていクライマックスに高所へ、空へと登っていく展開となりますよね。


キャラクターの飛翔はまさに心や感情を解き放つ事なんだろうし、善悪がぶつかる戦場が天空になるのは宮崎監督にとってはごくごく自然な事なのかも。


「絵を動かす」事こそ監督にとって心をリリースする事なんだろうし、またキャラクターを表現する恰好の場となる。走る時、飛ぶ時それぞれのキャラクターによってアプローチの仕方は違う。それによってキャラクターが表現される。


「トイ・ストーリー(1995)」の監督であり、ディズニー、ピクサー両スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのジョン・ラセターが、最近はジブリの宣伝マンみたいな感じだけど(笑)、「となりのトトロ(1988)」におけるサツキとメイの演出のつけ方の違いなどを解説している動画があって面白い。


動画はこちら





不思議なものでこの映画でもクライマックスは高所だった。


アリババ城で主人公の少年アル・ハックとアリババ王が戦うのだけど、ランプの魔物や魔法の絨毯も登場し空中戦も繰り広げられる。


ハックは38匹の猫と仲間になって戦うんだけど、毎カットに38匹いるかはわからないけど、とにかく描くのは大変だろうな。

この猫たちにもう少しユニークな戦いが用意されていたら良かったなぁと思った。



クライマックスの決戦で、アリババ王がロバに乗ってダダダッと城のてっぺんへ駆けていくカットがあってこれがカッコイイ。


もしや、これが宮崎さんの原画かなぁ。



設楽監督はウィキで見ると、すごい人だな。


「キャンディ・キャンディ(1976~1979)」や「魔法使いサリー(1966~1968)」の少女アニメの演出作品が多く、他に「タイガーマスク(1969~1971)」や「デビルマン(1972~1973)」などの演出も担当してる。