太平記 完全版 Disc.8。 | 江戸の杓子丸

江戸の杓子丸

化け猫 杓子丸の大江戸見廻覚書


太平記 完全版 Disc.8



172分 日  1991年(2008年完全版DVDリリース)



演出 佐藤幹夫 峰島総生 田中賢二 門脇正美 


製作 一柳邦久
脚本 吉川英治(原作) 池端俊策  
音楽 三枝成彰
撮影 杉山節郎 細谷善昭 
出演 真田広之 沢口靖子 陣内孝則 大地康雄 
    高嶋政伸 柄本明 根津甚八 武田鉄矢
    柳葉敏郎 宮沢りえ 樋口可南子 ほか


江戸の杓子丸


【完全ネタバレ】




〔解説〕
 騒乱の南北朝時代を武家の棟梁・足利尊氏を中心に描いたNHK大河ドラマ第8巻。
 鎌倉時代末期、源氏の血を継ぐ足利尊氏は、さまざまな人物との運命的な出会いの中で成長し、腐敗した幕府打倒の決意をする。
 

 第28回「開戦前夜」から第31回を収録。





第二十八回 「開戦前夜」


後醍醐天皇(片岡孝夫)は奥州征伐を北畠親房卿〔きたばたけ ちかふさ〕(近藤正臣)に命じたが、奥州の武家たちが公家の指図を嫌い北条残党につく恐れがあった。


奥州と鎌倉は近い。


有事を考え、足利尊氏(真田広之)は鎌倉を守るべく弟・直義(高嶋政伸)を送ろうとする。


後醍醐天皇の愛妃・阿野廉子〔あの やすこ〕(原田美枝子)はわが子に譲位を受けたいと、後醍醐の皇子(母は親子)・護良親王〔もりよししんのう〕(堤大二郎)を除くため、尊氏を取り込もうとする。


弟・直義を鎌倉に送る許しを得るよう帝に口を聞いてやるから、護良親王を倒せというのだ。


が、尊氏は「取引をしようとは思わぬ。そういう事が出来るものならば北条氏を倒す事もなかったろう」とつっぱねる。


そして、尊氏は帝に直談判し直義を鎌倉に送る許しを得るが、それは足利家が北条氏のように鎌倉で幕府を開こうとしているのではないか、という疑惑を招く。

護良親王は新田義貞(根津甚八)らを集め、尊氏を討つべく兵を集めるのだった。




護良親王役の堤大二郎の演技が舞台っぽいというか大袈裟な感じなんだけど、それがまたいいなぁ。



佐々木道誉役の陣内孝則 もたまらん。
「これはしたり!」のセリフがいい。


いちいち大笑いしたり、ズケリとものを言って場を凍らせたりおもろいキャラだ。



なるほど、京の六波羅を潰したのは足利、鎌倉を潰したのは義貞だった。


尊氏は奥州を押さえるためと鎌倉をすんなり手に入れてしまうわけで、義貞が面白くないのは当然だ。





第二十九回 「大塔宮逮捕」


京は護良親王派と尊氏派で一触即発の緊張状態になっていた。


そんな折、楠木正成(武田鉄矢)の御台・久子(藤真利子)が河内から上洛してくる。


保護した尊氏は自ら正成亭へ届ける。


そして、尊氏は正成に戦さをさけるために協力して欲しいと頼むのだった。


正成が尊氏についた事で、他の武士たちも護良親王から離れていく。



古式にならい初雪の宴が宮中で行われるとして、護良親王も呼ばれるがそこで逮捕され、鎌倉へ送られることに。


「武家が望めば、必ず武家の棟梁の足利が幕府を開く事になる。そして、帝と争うことになるのだ。そちにはその器量がある。」


と護良親王は予言めいた事を言うのだった。





第三十回 「悲劇の皇子」


建武2年(1335)。


北条高時の遺児・時行が乾坤一擲、信濃で挙兵する(中先代の乱)。


そして直義軍を破り、鎌倉を襲う。


京にも兵が少ない尊氏は征夷大将軍に任じて頂く、と帝に拝謁を願う。


が大きくなりすぎた足利家をつぶそうと阿野廉子らは取り次がない。


尊氏の御台・登子(沢口靖子)らは三河へ逃げ込むが、援軍を送れない尊氏はあせり再び参内する。



一方、敗走中の直義は、北条氏残党に奪われては困ると護良親王を殺してしまうのだった。






第三十一回 「尊氏叛く」


帝(後醍醐天皇)は尊氏に関東へ向かう事を許さない。


右馬介(大地康雄)が戻り「三河も猶予なりませぬ。」と尊氏に伝える。


奥州の北畠親房も加勢の動きをみせず、足利潰しを感じる尊氏。


右馬介が言う。

「わが身はわが手で守らねばなりませぬ。」


蝉が鳴く中、尊氏は是非もなし、と出陣を決断する。

帝はそれを知りながらも「捨て置け。戦うて勝っても誰が恩賞を与える。」



また、美濃で代官をしている石(柳葉敏郎)に目代は臨時の税を取るよう迫る。


その傍若無人な振る舞いに堪えかね、抜刀してしまう石。


そこへやって来た藤夜叉(宮沢りえ)が、石の変わりに斬られてしまうのだった。



うぎゃ~ん!


藤夜叉、こんな殺し方かよ(笑)


少々演出も雑な感じだったし。