はじめて 君を知りぬ…
宝塚歌劇団(宝塚少女歌劇)
1914年 初演から 100年を越え
現在105年目を迎えようとしております。
こんばんは 今宵は
27年前 兵庫県 宝塚市
宝塚・大劇場 ご案内致します。
宝塚歌劇 間もなく80周年を迎えようとしている頃でした。
当時の大劇場は 老朽化に伴い取り壊しが決まり その年1992年の12月が最終公演となりました。
その最終公演演目は
雪組 トップスター 杜けあきさん ご退団による 劇場と共にサヨナラ公演となりました。(杜けあきさんのご退団は 翌年'93年3月 東京公演でのご退団となりました。)
杜けあきさん 宮城県 仙台市のご出身でらっしゃいます。 宮城県といえば 青葉城。
確か… 杜とは 青葉城から 名付けられたかと… 間違っていたらすみません。
杜さんの同郷 さとう宗幸さんの 穏やかな曲 “青葉城恋唄” どこか 杜さんに 重なります。
そして 宮城県といえば 伊達政宗公
で・す・が、
杜けあきさん
大石内蔵助を演じられました。
年の瀬の風物詩という点ではなく
恐らく 後にも先にも
リアル 大石内蔵助 彼女以外、演ずる事のできない 大石内蔵助であると思われます。
私は宝塚の破天荒さんでらした 大地真央さん・ 歴代突破の急成長天海祐希さんの大ファンでありますが、 杜けあきさんの内蔵助が素晴らしすぎて、忠臣蔵の再演は易々とされたくありません。
私もお勉強兼ねがね 宝塚に限らず、名優が演ずる 大石内蔵助 数々を拝見いたしておりました。
名優といわれる方々だけあって、どれも立派な 内蔵助ではあります。
ただ! ただ! この 杜けあきさんの演ずる 大石内蔵助 条件が異なります。
杜けあきさん 女性でありながら誰よりも 内蔵助なのです。
今宵はその 大石内蔵助
雪組 杜けあき(さん)と
赤穂浪士達に焦点に
ご案内させて いただきます。
長いですが、 どうぞ最後まで
お付き合い 宜しくお願い申し上げます。
クライマックス・・・
暗転から 静寂。
薄暗く 青白い照明のみ。 小雪が うっすらと 舞っていました。
吉良邸前です。
遠くから 呼び笛が 響き渡ってきます。
浪士が 数名 現れては 示し合わせては去って行きます。
舞台床には 白い布が敷かれおりますので、
浪士達の足跡が残る演出。
その足跡は やがて吉良のもとへと集結する暗示の様でした。
時の経過と その時へと 観客を集中させていきます。
現れては去って行く 浪士の数は次第に多くなり 尺八をメインに お三味線、鼓・太鼓の音は 速まり
剣舞へと・・・
舞台全面 直垂姿に日本刀を手にした赤穂浪士達勢揃いの群舞(47人に届かず42名の群舞)
采配を手に大石内蔵助 センター(舞台中央)に登場です。
この場は 宝塚レジェンド“ベルサイユのばら” 名場面 バスティーユ牢獄前、オスカルのサーベルに 自由・平等・友愛、祖国愛を誓う民衆と衛兵隊の群舞に引けを取りません。
オスカルの名は ヘブライ語で “神と剣”
原作 冒頭に 記されております。
池田理代子先生の見聞 学識の深さを感じ入ります。 私がいうと、軽くなってしまうのが申し訳ないです

原作・宝塚共に オスカル…彼女の剣に集う 隠れた演出を感じずには居れず、また 植田紳爾先生も そこを あの群舞に逃さず盛り込まれたのかと、勝手な推測をしております。
さ、ここで 海老蔵さんのお言葉を貸していただこうと思います

歌舞伎好きな方と 宝塚好きな方の
ブレイク タイム~

ドン
ドン
ドン





パフ パフ パフ

はー 寒い

独りで 何打ってるのでしょうね。
やってる側が 素に戻ってしまったら、
ご覧くださっている 皆様も困ってしまいますよね~ さ、駆け抜けて いきましょっ!
今、日本時間は午前九時頃。 こちら真夜中2時。 さて どこに いるのでしょうか。
“New York🗽”
という名の 三鷹のpoolBAR
──嘘です。
まだ あるのかしら…
一回だけ大会で行った事があります。
あー ローカルネタでした。しかも昔。
私は六本木とかは派手過ぎて苦手。 三茶派でたまに 渋谷東口会館におりました… なんのこっちゃ ですよね! 大徳寺さん。 いゃ さすがに 読んではおらんじゃろう…😆
ご巡業公演にて
海老蔵さんに この様な質問をなさってらした方がいらっしゃいました。
『海老蔵さん この作品の見せ場 見所はどこですか? 教えてください』
海老蔵さん『え? 全部です。歌舞伎は全部なんですょね~』額ポリポリ系😌
被る様に『あ、(汗感アリ) では ここだけは 観て欲しい というところは・・・』
『んー 歌舞伎はですね、見所は全部なんですよね…では 』と おっしゃりながら、
極力 ご質問に沿われ、公演演目の 歌舞伎ならではの 演出方法 ストーリーをご説明なさってくださいました。
差し出がましい様ですが 今度は 私が 海老蔵さんの仰有る “歌舞伎は全部が見所” ご説明いたします。
歌舞伎ファンの方々はご承知かと。
新作・創作歌舞伎以外、長年演じられている作品は 何代もの方々によって 練り上げられたもの。
どんな動作にも ストーリーから根拠をみいだし 生み出された形なので 外せませんし
金太郎飴の様に どこを切っても 意味と技があるのです。ですので “見所は全て”と。
歌舞伎は 何年、何度、何人もの方々が 同じ演目を 演じられましても 都度、発見があるので面白いのです。
素人の私が 最近の人の様に
業界目線の文言は発したくないのですが
“良くできた芝居”と いわれるモノ(作品)は
トリックアートの様に旨味、面白みが幾重にも隠れているのです。
歌舞伎は 文言が日本語なのに 解りにくい
『 …アタシー 古典 苦手ダシー 』 の方、ゼーッタイ オススメなのが、
今すぐ アナタも歌舞伎ッコ!
イヤホンガイド 必聴!
さ、宝塚にもどります。
この宝塚の 忠臣蔵も 脚本・演出 柴田侑宏氏によって綿密な設定により、作り上げられた作品でありますが、
さらに それだけではなく、
恐らく 杜けあきさんのために、そしてこの 杜けあきさんという 雪組のトップスタートに集まる人望。
柴田侑宏氏が温め 描く 大石内蔵助、 まさに 打ってつけの 人材だったのではなからろうか ふと その様に思います。
圧巻の 大剣舞に いよいよ
内蔵助の采配が 大きく振られます。
女性でありながら これほどまでに 立派な 内蔵助は 観たことがありません。
あの時の 赤穂浪士の皆様の団結
吉良役の 星原美沙緒さんが 本当に憎ったらしい 吉良に見えました。
(星原美佐緒さん 素敵な専科さんでらして、現在はご退団なされてらっしゃいます)
吉良を見つけ その身印をいただく
浅野内匠頭が眠る 泉岳寺へと向かわんとする際、
勝どきをあげ 浪士を引き連れ 銀橋(ぎんきょう)という エプロンステージへと闊歩されます。
浅野家 家老職 大石内蔵助は
銀橋センターに止まり
そこに 続くは
息子の主税役の 高倉 京さん
続いて
小野寺十内役 大ベテラン 専科の萬あきらさんが 頭(こうべ)を下げる確度に 後輩である杜けあきさんへの 敬意が 滲みあふれる 様子でありました。
おそらく 凌ぎをけずった 先輩、同輩、追い上げてくる後輩達の中 これほどまでに 慕われているのが 判るトップスターは そうそうお目にかかれる訳では有りません。
素敵でした。 とても。
赤穂浪士達が 次々と跪きます
岡野金右衛門 ・・・・一路真輝さん
綿屋喜左衛門 ・・・・立 ともみさん
磯貝十郎左衛門・・・高嶺ふぶきさん
大高源五・・・・・・海峡ひろきさん
堀部安兵衛・・・・・・・轟 悠さん
杉野十平次・・・・・香寿たつきさん
不破数右衛門・・・・和央ようかさん
一同 一念を遂げた清々しさと共に 泉岳寺へ。 そして その隊列 最後尾に 大石内蔵助は続き 悠々と 歩まれます。
他 浪士達は 舞台上からはけていきました。
内蔵助 銀橋を渡りきり、花道に到着。
舞台 独りきり。
そこで内蔵助は 空の彼方をみつめ
清々しく
『もはや これまで
思い残す事は ござらん。』
♪嗚呼
花に散り 雪散り
侍の道 男の道
─────── 幕 ───────
お粗末さまでございました。
一つ前の記事で 触れたたため
柴田侑宏氏が 杜けあきさんへ
贈られたであろう 名台詞
その 厚み 伝えたくなりました。
悲しいのはですね… これは仕方の無い事なのですが…
今の お当番制? どこぞの国の大臣か、回覧板のように
トップスターが 育つ前に変わる宝塚に
易々と再演されたくないのです。
宝塚も阪神淡路大震災から母体 阪急の経営事情も変わりグループ経営に切り替わりましたので、
歌劇団・生徒さんの置かれている状況も大分変わってしまいました。
誰が悪い訳でもなく、時代がそれを維持する余裕が無くなってしまっているのだと思います。
仕方のない事とおもいます。
悪い事ばかりではなく、日本人全体的に器用になり、 表現力の水準も上がりましたのと バレエの普及に伴い音楽学校入学時点でも全体に質が向上している等の 良く変わっている面もございますから…
良い面を 観ていきたいと思います。
ここから 先は オマケ。
二番手 一路真輝さん
歌声、歌唱力に定評がありまして 男役でスタートしたにもかかわらず・・・
杜けあきさんより二期前の雪組トップスタート 麻実れいさんの サヨナラ公演 “はばたけ黄金の翼よ”では 一路さんは 入団したばかりですのに、お姫様役に大抜擢された逸材。 当時は滑舌が悪かったのですが、こちらも早期に解消する努力家さん。
エリザベート 日本初公演では 黄泉(よみ)の帝王 トート閣下を熱演。 退団後は トートではなく エリザベートを熱演なされてらっしゃいます。
当時の三番手も 粒ぞろい!
雪組は 人材豊富でした。
あの大石内蔵助も 杜けあきさんだから
成し得た 大傑作に違い有りません!
ストーリーが 前後します。
通常 宝塚の公演とは
前半が物語。 休憩はさんで 後半はショー
なのですが、
前・後半 で 一本のお芝居をする場合もございます。
今宵 ご案内させていただいております
忠臣蔵も 前・後半 一本のお芝居でございました。
浅野内匠頭の妻 “あぐり” と
上杉家からの女刺客 “お蘭”
こちらの 二役を 娘役トップ
紫 ともさんが演じられますが、
これがまた… 素晴らしい
紫 ともさん お芝居が上手過ぎます。
退団なされて 女優のはずですが、たまにしかお目にかかれません。 関西でのご活躍なのでしょうか?
お芝居、上手過ぎて、他の役者がくわれてしまうから 出てこられないのかと思うほど、お芝居がお上手。 …彼女も入団早々、大抜擢ポジションでした。
お姫様さまから 遊女まで とことん
お出来になるかと。
この忠臣蔵より 前に
月組公演 “川霧の橋” にもご出演なされ
芸者役でしたが
宝塚の生徒さんとは 思えない 粋さ。
独特の 間 、ベテラン女優さんの
格を感じる 上手さです。
この忠臣蔵 前半は
穏やかな 春の日差しに 包まれた
浅野内匠頭と 妻 あぐり
たしか このような 歌を 歌われてました
お舟遊びに 水の揺蕩い
石垣に映える陽炎
その春は 何事もなく
柔らかな日差しに暮れなずんで
と、あわく たおやかな 春の舞いへと続きますが
物語を暗示する歌詞へと変わりつつ
雷(いかずち)が 鳴り響き
場は 松の廊下への 行へと移り変わっていきます。
赤穂浪士が 次々と脱落していく中、
内蔵助は仇討ちはない様に欺き続けます。
三時間で あれらを 描ききる
柴田侑宏氏の 演出も素晴らしいです。
この方々の頂点に立たれてらした
杜けあきさん。
落ち着き風格のある 宝塚のトップスター。
ご退団の一年前でしたかしら 確か 菊田一夫賞を受賞なされているかと。
Wikipedia確認 やはり 正解。 ご受賞なさってらっしゃいます。
私の
大石内蔵助は あの方 ただ独り。
なんだか 打ちたくなったから
ドカドカと 駆け足で 打ってしまいました。
本日も お付き合い 誠にありがとうございました。 猫

♪さよなら 皆様
さようなら ごきげんよう ♪