黒田 涼と江戸を歩く -9ページ目

星薬科大薬草園が道路になる?

品川区に星薬科大学という学校があります。
創立者はSF作家・星新一の父、星一です。

はいこちらの方。

星製薬の創立者です。








大学は五反田、武蔵小山、戸越銀座などの駅に囲まれた中原街道近くにあるのですが、大都会の中にもかかわらず、3000平方メートルもの薬草園があります。
薬学大学だけに、その研究・実習に役立てるためのもので、温室もあり800種類もの薬の原料になる植物があります。

(写真は冬枯れで殺風景ですが)

そしてここは一般に開放されており(入口で申請)、近隣の人の憩いの場にもなっています。

ところがこの薬草園がなくなるかもしれません。
この薬草園を突っ切って、放射2号線という道路を作ることが決まっているからです。
道路幅は歩道も含めて25メートル。

事業主体は東京都で、目的はこの周辺の木造住宅密集地の延焼防止、災害時の避難経路確保などを挙げています。

しかしこの道路が都市計画決定されたのは1946年。
なんと70年も前です。

木造住宅密集地の延焼防止と言いますが、確かに密集した住宅のある場所も近くにありますが、五反田駅にも近い場所であるためマンションなども次々建っており、空き地も目立ちます。
さらに目と鼻の先に中原街道があり、避難経路が足りないとは思えません。
こちらが道路計画図です。
(計画詳細はこちら

最近この手の「防災」を錦の御旗にした道路建設が都内で目立ち、あちこちで反対運動がさかんになっていますが、まあ中には必要と感じる道路もあるのですが、ここはかなり疑問です。

大学は建設に対し地下化やルート変更を要望しているようです。

道路ができると先の星一さんの銅像の目の前を道路が通ります。
大学敷地の模型がありますが、 この左下の緑の部分が薬草園で、この左右にある建物の間をすり抜けて道路が通ります。

まあ大学も都市計画は承知の上で、この左の建物などは建てているのでしょう。

右のドーム屋根の建物は大学の本館・メインホールで、なんと1924年の建設。
文化財級です。

設計はアントニン・レイモンドで、ニューヨークのコロンビア大のローホールを模しているそうです。
ここがすごいのは、上の階に緩やかなスロープで登れること。
ぜいたくに空間を使っています。
バリアフリーなどという言葉のなかった時代、どうしてこのような形にしたのでしょう。

災害時なども安心して避難できそうです。













ちなみに星一さんは野口英世の資金援助者として有名です。
キャンパスにある歴史資料館(こちらも無料公開)には、野口英世が使った顕微鏡が展示されています。













春になると様々な植物が花をつけることと思います。
ぜひ薬草園を訪れて、みなさんの目でここに幅25メートルもの道路が必要か確認して下さい。