小田原の金花糖②
テーマ:寝る子は育つ江戸駄菓子「小田原で金花糖を作られている方がいる」
と確信的な情報をいただき、急遽、小田原金花糖探しに行ってきました。
小田原 光栄堂さん
教えていただいた地図どうりの場所にありました。
店頭には、ハイハイ赤ちゃん、子持ちネコ(親子猫)、犬張子に小平の野菜や中丸の鯛。
うちと同じ型のものもありました。
店頭にはどなたもいらっしゃらないので、おそるおそる中に声掛け…
出てこられたのは、まさにご主人でした。
東京で金花糖を作っていること、(現物も見ていただき)、浅草の金花糖の事、奈良屋さんのこと、なぜ小田原に来たのか、立て続けにお話させて頂きました。
ご主人は最初は怪訝そうな様子でしたが、製造の話、木型の話をしていくと、質問にも答えてくださり、昔のこと、小田原の金花糖事情などを教えてくれました。
光栄堂さんは蒸し饅頭やスアマなどの販売をされている、いわゆる朝生屋さん
金花糖は節句のこの季節しか作らないそうで、年内に流し終えるとのことでした。
ご主人で3代目。金花糖作りは先々代より作られていて…80年くらいまえでしょうか…光栄堂さんの修業時代には一通りの菓子作りをしたため、金花糖や飴作りも普通にした、とのこと。
50年ほどまえには作られた金花糖を都内や静岡などにも卸をしていて、西日暮里の駄菓子問屋でも売っていたようです。
そのころは西新井にも製造所があって、そこに製造えお依頼したりもあったそうです。
木型は現在使っているのは10丁ほど。使っていない木型も結構あるようで、鯛・平の野菜・ねこなどが主。しかし、先代から受け継いだ木型の劣化が激しく、合わない木型が多いそうで、うちも同じですが、犬張子の合わせがダメとのことでした。
光栄堂さんの砂糖はグラ!うちと同じでした。
絵付けの色合いが淡くて、しかもとても艶やかで、何か入れているのかな?と思ったら「飴を入れている」とのこと、初めて聞きました。
水飴を伸ばしながら使っている!これは実践あるのみ!
小平の茗荷、キュウリ、谷中生姜、大根 うちの型と同じものでした。
キノコ、さざえ、なす
青がうすくて綺麗…お聞きしたら「青1」らしいですが、薄く伸ばして使っているとのこと
金花糖が薄い!
誠に失礼ながら「値段が安すぎでないでしょうか??」とお聞きしたら「昔からの値段だから…」
とても手間が掛かって、壊れやすくて、歩留まり悪くて…いくらなんでも、犬張子…¥200って
犬張子の型は1丁4~5片のはず。しかも合わせが悪いから、欠けたり穴が空いたり、自分がやると半分くらいはダメな型。
なのに、どれも¥200って…
高くしたら売れなくなってしまう、というご主人の金花糖を残そうとされている価格設定なのかもしれませんね。
最後にこれからも作って頂けるよう、お願いしてお店を後にしました。