そのテクスト(テキスト)、もったいない! ~あなたの文章・原稿、プロの編集者が赤入れします~ -3ページ目

そのテクスト(テキスト)、もったいない! ~あなたの文章・原稿、プロの編集者が赤入れします~

編集者・ライターのツキカワが、日々至るところで遭遇する「どうにも惜しいテクスト/テキスト(文章や原稿)」について、“お直し”コメントするブログ。
メールでの文章・原稿の添削&編集も、有料にて近日中に開始する予定です。

東京では、桜もすっかり満開を迎
えた。



この週末は、日本酒の品ぞろえがちょっと有名だという、大塚の居酒屋へ。

確かに酒の種類・銘柄は日本酒に限らず、焼酎や国産ワインまで豊富で、料理の味もなかなか。カウンター割烹風な店の雰囲気も悪くない。

だけど、なんというか…「残念」と感じてしまった。

客が好みの酒を自由気ままに飲むことに、店主がいい顔をしない。
その反対に、料理と相性が良いとされる酒を店主が強くプッシュしてくる、"マリアージュ"至上主義の店だったのだ。

隣に座った客は、入店して最初の酒に燗酒を頼むなり「うちの前菜に合うのは吟醸酒の冷酒なんですが」と先制パンチを受けていた。
それでも彼は「んんん、でも外が肌寒かったので、やっぱり燗で」。

私も頼んだ酒を「次に出る料理には合いませんが…」と一蹴されたものの、無勝手流を貫き、やはりいい顔をされなかった。
(でも、ボトルじゃなくてグラス一杯だからこそ、好きな銘柄を好きな流れで飲みたかったんだもの)

確かに、料理と酒のベストマッチというのはある。
口に残る料理の余韻を、相性のいい酒がゆるりと流していくとき、両者の風味がぴったり噛み合ったときの多幸感は、結婚に例えられるのもわかる。

でもその、いわゆるマリアージュって、こんなに窮屈なものだったっけ?

料理と酒はばっちりマリアージュしたとしても、酒と、酒を飲みたい私との相性はどうなるの? 
頼んだ料理で飲む酒を決められるのって、かなり不自由なんですけど。
(まるで、お仕着せの結婚みたいに…)

そんなことが気になり始め、マリアージュという言葉を帰宅後ネットで検索してみた。

するとワイン関係のサイトで"外的マリアージュ"なる新語を見つけた。

要は、料理と酒の相性だけではなく、環境や人のメンタルやフィジカルな面と、酒の相性も重視されつつある、ということだった。

(環境と酒との相性は、例えば蒸し暑い気候のときはさっぱりドライな酒が飲みたい、というようなもの。

人のメンタルやフィジカルな面と酒の相性というのは、陽気な気分のときは華やかな香りの酒が、深く落ち着きたいときは重ための酒がしっくりくる、などのこと、らしい)

まあ、そんな新語を持ち出すまでもなく、「飲む人の心と体に寄り添う酒や料理」が、最上なのだ、やっぱり。
人間は、舌だけの存在じゃあないのだ。

不器用なこだわり派らしいあの店主にも

「料理と酒のマリアージュだけじゃなく、客と酒、客と店とのマリアージュも意識してみてね…」

そう言葉をかけたくなる、そんな春の宵だった。




(参考:ワインネット)




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