「サド侯爵夫人」は言わずと知れた三島由紀夫の戯曲。今回の舞台は野村萬斎さんが演出を手掛け、蒼井優さんを始めとする豪華女優陣が舞台上で三島作品と真っ向勝負する!

実際の舞台はというと、女優の台詞や仕草が引き立つシンプルな舞台美術で、観客としてはお芝居に集中できたのが良かったです。三島作品だけに難しい台詞も多く、観ている側も聞き逃すまいと必死。まさに女優の皆さんと一緒に観客も三島作品と闘っている感覚でした。
フランス革命の直前、囚われた夫、サド侯爵の帰りをどんなに反対されても一途に待ち続ける侯爵夫人。そんな彼女が最後にどんな選択をするのか…蒼井優さん演じる侯爵夫人が夫への思いを語るラストシーンは迫真のお芝居で圧倒されました!特にこのラストシーンを含む3幕は光を使った演出がとてもキレイで印象的。光が射しこむだけでこんなにもお芝居が引き立つなんて、感動しました!
蒼井優さんの他にも侯爵夫人の母を演じる白石加代子さんを始め、麻実れいさん、美波さんなど舞台で活躍する女優陣のお芝居もさすが!緊迫した空気感の中でも白石さんのシーンのときだけは笑いが起きていました。
1幕~3幕まで休憩時間を挟んでなんと4時間近く!三島作品と向き合う濃密な贅沢なひと時をたっぷり堪能させて頂きました。次は海外モノの舞台にも挑戦したいと思います。