『マルクス=エンゲルス全集』onlineサービスを試してみた。 | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks
始まったばかりの大月書店『マルクス・エンゲルス全集 オンライン版』を試してみた。

第1巻1839年-1844年に始まる全53巻4万頁の総目次が読めるだけでもありがたい。マルクスがヘーゲルをどのように読んでいたかは、その主著よりも書簡や新聞に書いた記事などを見るほうがヴィヴィッドに伝わってくる。しかし主著と違って、こういう書き物は全集に頼るしかなかった。

マルクスはいわば前世紀を〈戦前〉とすれば戦前に対する、語の本来の意味での「批判」をすることから記者としての活動を始めたと言ってもいい。

いやそう見るのが、今や「良く効く」読み方だ。
マルクスにとっての〈戦前〉の大事件と言えば、言うまでもなく1789年のフランス革命だが、そのころ東洋日本は何をしていたかという情報の歴史的読みを進めるうえでは、願ってもないアーカイブになっている。

読書の手際を、かなり親切にフォローする仕組みも好感が持てる。この手の書籍リーダーは、Honto、GALAPAGOS、BookLiveなどのリーダーはじめいくつもあるが、「クリッピング機能」を装備したものには初めてお目にかかった。

シャープペンで紙上にマーキングするのに近い機能として提供されている。これはこの機能を使ってみたクリッピングの一部↓

256頁

システムは(株)寿限無さんが手がけている。

予算が気になるw 別途アーカイブプロジェクトの話が進んでいるので。

    無料お試し入り口→http://www.otsukishoten.co.jp/news/n7904.html

    株式会社 寿限無→http://www.jugemu-tech.co.jp/index.html

大月書店版の翻訳については色々と限界も指摘されて来た。翻訳の底本となる版の問題など含め。しかしこれはこの際、無視できる。そこは、筑摩書房から出ている『マルクス・コレクション』もあることだし。

年代順に編纂された全集を、壮大なクロニクルとして読めることが、
今回のアーカイブの最大の利点と思うので。