キァリア・ドリフトのすすめ(1) | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks

キャリア・ドリフトという考え方があります。キャリア・ドリフト理論と言うこともあるようです。


神戸大の金井壽宏教授が『働く人のためのキャリア・デザイン』という本(PHP新書)のなかで提唱しました。


ドリフト(drift)は、潮・風に「流される」こと、 「漂流」,、航空機の偏流、比喩的に「推進力」 「圧力」といった意味を持っています。


いかりや長介、加藤茶、志村けんなどの「ドリフターズ」は直訳すれば「漂流者」です。

キャリアについては、誰もが知っている普通に使われている意味でいいのですが、わたしとしては、次の「はてなキーワード」の説明が、ぴったり来ます。


【career】
経歴。職歴。
一生にわたる一連の職業上の活動や行為。

「一生にわたる一連の職業上の活動や行為」。職業は、1種類のものではないかもしれないし、会社員としてその職業を続けるか、フリーランスであるか、独立して法人を作るかなどを問わない、広がりのある意味を読み取ることができるからです。


このキャリアとドリフトをくっつけると、


キャリアを東大一直線のように(古っ!)設計しすぎないこと、外的要因、内的要因含め、偶然やってくるものをキャリア・デザインのチャンスと考えて進むこと。要するに「流されてみる」ということも必要という話です。


潮の流れや、風の向きは、こちらでどうこうできるものではない。


「天職探し」なども、実は自分ひとりでできるものではない。人生の節目節目では、「自分で選んでいる」、自分で考えて行き方を設計しているのが通常ですが、でもそれさえ後で振り返ってみれば、いろいろな推進力や圧力を感じながら、[決意」したものだったりする。


ドリフトというのは、「自己決定」の本当の成り立ちを衝く、リアルな考え方でもあるのです。


そもそもが、人生の両端も潮や風と同じように、「自分」でコントロールできるものではない。


偶然をチャンスに変える、もしくは、必然化する大きな力が働いているのがドリフト、というものかもしれません。


職を転々として、定まらないという「移り気」とは、ちょっと違うという点が重要です。



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