真行草は、書道とか、生け花とかをされてる方にはおなじみかもしれませんが、すみませんここで言ってるのは「姿勢」の話です。
加藤周一さんの『読書術』に見つけた、「本を読む」姿勢、体勢のたとえ話。
むかしの中国人は「真は行を生じ、行は草を生ず。真は立つが如く、行は行くが如く、草は走るがごとし」(東坡『志林』)といいました。これは運動の場合で(略)、(姿勢について-引用者)同じ筆法でゆけば、真は正座の如し、行は横ずわりの如し、草は寝たままの如し、ということになるでしょう。
で、こう続けます。
「一読巻おくこと能わず、寝食を忘る」といいます。すでに寝食を忘れるとすれば、いっそ身体を忘れるのが読書の理想ではないでしょうか。
これパソコンやPDA、そこで動くツールなどで言うなら、「シームレス」ということです。
姿勢で言えば「楽な姿勢」です。本を読むのに、必ずしも書見台や机はいらないという話です。
もちろん地球にいるかぎり「重力」 は消えることはありませんが、あたかも無重力のような状態に入る。
そういう読書はあるわけです。「夢中」ですね。
一方、加藤周一は、机を用いるのは、必要やむをえない最小限度にとどめたいとして次のように書いています。
読む本が重く大きくて、手に支えがたいとき、何冊かの本を同時に参照したり辞書の類を使うとき、また読みながら書いたり、ことに「タイプライター」を使うときなどです。
加藤周一さんの『読書術』には、こういう読書の環境、さまざまな「読書のモード」が網羅されている。
満員電車のなかで、片手で、頁をめくらなくても飽きることなく読むことができる「読書モード」まで出てきます。
(続く)
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