このタイトル、実は現在の出版状況とも密接に関連しています。
動物化は、東浩紀の講談社新書『動物化するポストモダン』で、ちょっと知られるようになったようですが、この「動物」は、1940年代に、フランスのヘーゲリアン、アレクサンドル・コジェーヴが使った概念です。
しかも、日本についての用語です。
それが、「予言」?どおりに、現実のものとなりつつある。
そう感じている人は、実は少なくないのではと想像します。
「動物」化という言葉を使おうが使うまいが。
ポール・リクールも「散乱する小さな物語」という言い方で、物語の喪失を指摘したことがあります。
バローズの「カットアップ」は、cut-up techniqueという「作品」を構成するための技法です。
新聞記事をバラバラに分解して、偶然に任せて並べることで、新しい文章、ヘンテコな文章を生成するといった技法です。バロウズ以前にもこれを使った人はいますが、よりアクティブな実作を行った20世紀の人と言えばウィリアム・バロウズです。
ところで、iTuneの「一曲」売りとか、デジタル化することでどこにでもジャンプできるといったことは、すでに誰でもやれることで、とくに「技法」とは呼びません(爆)
ホルストの「惑星組曲」の一部を切り出して歌にしてしまった平原綾香の「Jupiter」とか、になるとだんだん今日の出版状況に近いものになっていきます。
まあ、何を言ってるのか、非常にわかりにくいと思います(爆)
こうやって、ブログ記事に「断片」を書いてほったらかしにするのも、カットアップかもしれません。
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バロウズのカットアップと歴史の終焉もしくは動物化するポストモダン(3):物語を削ぐものども
バロウズのカットアップと歴史の終焉もしくは動物化するポストモダン(4):賞金稼ぎ