複雑性の海へ――そのプラットフォームとしてのS-MAP | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks

松宮義仁著『A6ノートで思考を地図化しなさい』刊行1周年記念論文募集中です^^


こんにちは、シンプルマッピング理論研究班の岡田です。


98のころから使っていた、一種のアイデアプロセッサフリーソフト「iEdit」を久々に起動してみました。


編集機関EditorialEngineのシンプルマップ的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks-iEdit

「階層構造」表示、「マップもしくはフローチャート、UML図」編集画面、「内部外部リンク」、ノードごとの「ノート(記述)」の4つのペインから構成されています。この4つが「連なって動く」ツールです。


これ、高価なマッピングソフトの実は原型といってもいいものです。


脳内シンプルマッピングが動くから発見できたことですが、実は少なくともこの4つのペインがS-MAPを書いているときには、動いています。


目の前に展開するのは、A6ノート見開き上のマップ記法の痕跡ですが、けっこう複雑な仕組みが、こちら側、というのはユーザの頭のなかで動いているということです。


複雑、単純は、二次元上の視覚だけでは捉えることはできません。


MMの絵画のような複雑怪奇な「作品」は、実はちっとも複雑ではなかったりするわけです。


逆にとてもシンプルに見えるS-MAPにこそ、豊かな複雑性の海に漕ぎ出す、プラットフォームとしての性能が備わっているということです。


「iEdit」の4ペインは、このことを教えてくれます。


MMには、こうしたペインをビルトインしていこうという意欲、機会を封じ込めてしまうようなところがあります。


感情オルガンとして、沈静か興奮か知りませんが、そういう状態を得られればいいという使い方にはいいでしょうが、そこから新たな展開を産み出すことはできません。


S-MAPのシンプルさというのは、余地・余白を持つことで、そこにiEditのペインに見られるような、さまざまなプラグインを組み込む可能性を提供するという意味でのシンプルさなのです。


つまり、複雑性の海へのプラットフォームなのです。


見た目のシンプルさ、見た目の複雑さからは、複雑性の科学、ツールは立ち上がってきません。


ここには実は、MMにおける「マインド」のとらえ方が、はなから間違っていたという恐るべき事実も見えてくるのですが。しょせん「商標」でしょ、という声も聞こえてきますが、心を頭蓋骨の内部に幽閉するという生き方は、どうにもエレガントではありません。


それがオープンソースではなく、レジスターにがんじがらめなビジネスの行き方にも体現されていると思うのです。


(続く)