シンプルマッピングを、『A6ノートで』シリーズの著者・松宮義仁さんが、発案、開発したのは5年ほど前のことです。その誕生の瞬間は、シリーズ第1弾『A6ノートで思考を地図化しなさい』(徳間書店)の冒頭に描かれています。
ファミレスの何もないテーブルに、一枚の紙をおいて・・・
もうおなじみの名場面ですね(笑)
松宮さんは当時、会社にMindManagerを導入させたマッピングのグルでした^^
学生時代にさかのぼるその前史は、こちらの本に書かれています。
- いつでもどこでも「脳の集中モート゛」を高める シンプル・マッピング最強ノート術/松宮 義仁
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「パーソナル・データベース構築の夢」、「モバイルマシンを第2の脳に」など、学生のころからデジタルオタクであったことがわかります(爆)
しかしこれ、わたしに言わせれば、どちらかというと「情報圧縮」への欲望とも言えるもので、デジタル小物に数百万を使うことはあっても、いわゆるパソコンオタクではないのです。
「デジアナ」にこだわる遊牧的な、ノマドな大学生だったようです。
プログラミングするためのリードタイムに時間を費やすより、とにかく思考の速度を最速にすることを目指して走りだした結果、小さなノートとペン一本という究極の思考ツールにたどりついたわけです。
しかしそこには、マッピングソフトの設計思想に近いものが充填されていきます。
彼を「教師データ」としてソフトを開発すれば、XMindのようなものになっただろうという話です。
(ただし著者自身は、この方向に「注footnote」を書き込み続けるという方向には進みませんでした。ちょっと残念ですが、著者以外のマッパーがオープンソースのように進化させてくれることに希望を託すばかりです)。
そしてその設計の肝は、編集的思考からすれば、
ページとページのマッピング(対応づけ、写像)
=ページ間マッピング
にあります。
もちろん、XMindの開発者たちが、本やノートの「見開きという単位」や、「ページをめくる」という手と視線の動きに注目したかどうかはわかりません。
またシンプルマッピングの特色は、それだけではもちろんありません。
スティーブン・ジョブスの言葉、
点をつなげて道とする
のように、「振り返れば、そうなっていた」というところが多いので、
ウォーターフォール型のソフト開発とはまったく異なります。
それでも、「手と脳」を動かすツール、シンプルマッピングは、これからのソフトづくりにも多くのヒントを与える
「意味と構造」を備えています。(続く)