いや、そのまったく偶然に、この文庫本が、足元に降って来ました^^;
山積みのままだった資料の山が崩れただけとは言え、あの浅田次郎さんの『勇気凛々ルリの色』です。
驚きました。「こんなところに、なんで積んであったんだろ?!」
浅田次郎さんと言えば、泣きの次郎さん、笑いの次郎さん、両方あって、どちらも好きですが、実のところは、「泣き笑い」が真骨頂の作家です。
降って来た本は、浅田次郎40代のころの週刊誌連載をまとめたエッセイ集ですが。
「テラ銭について」という一篇があります。
「私は小説家であると同時に競馬予想家である。
今のところ収入はほぼ拮抗しているので、どっちが本業でどっちが副業かと聞かれても困る。」
じろさんにとっては、そうか、どっちもビジネスなのだ。
と思わせつつ、他人様には、
「競馬は、ばくちです。たいがいにしときなさい」と「忠告」しながら、
「小説を書くことは別段自慢にはならないが、(中略)例年競馬で勝ち越していることは、私の自慢である。」
と結ぶ。
じんわり笑えてしまう。
笑っちゃいけないような状況ほど、噴き出しそうになって困ることがありますが、
次郎さんは、そういうのが上手い書き手です。
凛々してみたいかたは、読んでみてください。

