何度も同じ本を買った経験をお持ちの方は、気づかれているかと思いますが、同じ本でも、カバーや帯だけ、新版(新装版)になるということはよくあります。
前に出た同じ本の増補改訂版だと、カバーや帯はもちろん、当然本文にも改良が加えられ、新しくなるわけですが、そうでない本でも、カバーだけ、帯だけ刷新されることがあります。
帯はとくに、マーケティング、販促のセンスのある出版社ですと、実に「やったね!」と拍手を送りたくなるようないい仕事をしてくれることがあります。
帯の着せ替えは、印刷コスト的に全体から見れば非常に小さいですし、新聞広告とかに比べて実施しやすいセールスプロモーションの手法です。
どう変化させるのかは、いろいろです。
最近発見したのは、『知的複眼思考法』文庫版の帯です。
講談社α文庫の一冊ですが、これ見て、講談社さん見直しました(笑)(講談社のような大手は、部署によってずいぶん違うのです)。
この文庫の帯は、シーズナル・シフトしてます。
そして、微妙に読者層の拡大を意図しています。
上手です。
紀伊国屋書店さんのBooksWebにあった、おそらく文庫化初版当時の表紙写真と、現在私の手元にある2008年第18刷版の表紙カバー・帯を比べるとガラリと変わっているのがわかります。
【2002年】
現在の帯コピーは、こうなっています。↓
就活以前の"発想の鍵"
最強の思考法テキスト!
"すべてを疑え"
一流のビジネスパーソンも読んでいます
ブックストア談 浜松町店 前田直希さん
初版は、主に大学生が読者だったようです。
現在のコピーは、ビジネス書分野に、よりシフトしています。
【2008年】
大学生でも、就職を意識する3年生、4年生にシフトしたコピーです。
談の浜松町店はエンジンもたまに顔を出す本屋さんで、店長さんとは面識がありますが、この店員さんの声を掲載するというアイデアは、最初、確か角川書店さんがやったと思うのですが―ウロ覚えですみません―いろいろな意味で、とても見習うべきやりかただと思っています。
もちろん、ぽっとでの第1作で、
いきなりできるものではありませんが^^;
【編集技術キーワード1】
・再編集(re-edit) ・新装版

