レディメイド(製品化、パッケージ化)の時代の前にはハンドメイドが輝いていた | 小林一郎と歩く「ガード下」と「横丁」

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レディメイド(製品化、パッケージ化)の時代の前にはハンドメイドが輝いていた

うちわの読書会で、『ミシンと日本の近代――消費者の創出』(アンドルー・ゴードン、大島 かおり著 みすず書房)を扱いました。これはミシン、とりわけ、世界初の多国籍企業といわれるシンガーがわが国に入り、普及する課程を消費者と同時に購買することによって生産者にもなり得るという一面(ライフスタイルが消費を支える)をも孕んだ姿を浮き彫りにしている書籍です。シンガーミシンの値段は月給二ヵ月分。ということで、現金で買うことはできません。そこで登場したのが月賦販売というシステム。現代流にいえばローンということでしょうか。このローン、なぜ日本人に受け入れられたか、に話が進み、さらに、ミシンの普及を通してわが国の近現代史を描いて見せてくれているが、では、「なぜミシンが滅びたか」が今後のテーマだ、ということでミシンの消滅過程とその原因について話し合いました。まあ、父ちゃんは、ただ単に飲み会で集まっているだけじゃなくて、一応、本の内容について語り合ってから飲み会に席を変えているんだよ、ということなんぞを家族に伝えてはいるんですが、今晩もまた何かしら理由を付けてどっかに飲みに行ってる、なんだそうです。