主婦がうらやましがる掃き出し窓
西洋の城にはトイレがありませんでした。では、どこで用を足すかというと、クローゼットの中です。狭い箪笥のような中で、いっぱい衣裳もあるだろうに、そんな中で、ドレスの裾をまくしあげ場所を確保する? なんて、考えてしまいますが、どうしてこのクローゼット広かったそうで、用を足すスペースも充分ありました。
で、その中で、どうやって、というとおまる(丶丶丶)で用を足していました。まあ、この話はおまるを持って城中どこでも、なんて話もありますが、ここで話題にしたいのは、その物(ぶつ)の処理。トイレがありませんので、いわゆる糞溜もありません。ということで、彼らはどうしていたかというと、城の窓からポイ! まあ、城周辺は糞尿で本当に臭かったともいわれています。
こんな話を聞くと、日本はきわめて、合理的。戦(いくさ)の際には、郭の上から石とともに糞も落としたとか。まあ、これで敵方も戦意喪失、ということですね。
話は戻って、建物の中から、玄関を通らずに、モノを捨てる、という習慣。日本人にはない(たまに、マンションの上からタバコの吸い殻を捨てる輩もいないではないですが)、と考えられている、といっていいでしょう。ところが、建物の中から、ポイッってことをやっていた時代があります。
このポイ捨て、一つは、トイレの掃き出し窓。和式の金隠しの前に横長に空いていた窓で、たいがいはガラスの引き戸付き。高さは10cmほどでした。このトイレには、手のひらサイズの箒があってその箒でチョイとゴミを掃き出す、そのため窓でした。
このトイレの掃き出し窓は可愛いものですが、しかし、部屋の中、足もとにある場合もありました。これは本格的な掃き出し窓。背丈よりちょっと低い箒を持って部屋の隅々を掃き、それをちりとりでとって、というのではなく、掃いたらそのまま、サッと外へ。こちらも高さは10cmほど。旅館の宴会場や料理屋などによくあった、と記憶しています。
この掃き出し窓、窓枠の底辺が床面の位置にある窓のことをいうため、現在では背丈が人の高さの窓も“掃き出し窓”と呼んでいます。ただし、こちらはどなたもゴミをそのままはき出すことはないでしょう。まあ、電気掃除機の時代になったわけですが。
