友だちの職場が建て替えのため、神保町のビルに間借りしていた頃の話。「オレは、ここで終わるよ」というのが口癖でした。つまり、建て替えられる新しいビルには戻らない、ということ。ここで一生を終えるよというのが口癖でした。ところが、具合の悪さが続き、職場の共済組合が運営している九段坂病院に入って手術、と言うことになりました。その手術の前、友人は病院内の窓越しの風景を見ながら「オレ、必ず戻るから」と突然言い出しました。窓のずっと先に建て替え中のビルが見えました。九段のビル群の中で、ずっと、一直線、霞が関の官庁街のみが奇跡的にも見渡せていました。
懸念も払拭され、手術は無事成功。その後、新しいビルでも勤めることができました。
その彼は、今年3月、天下りを求めることもなく60歳でサッパリと役所を辞め、第2の人生を模索しはじめました。
それから6ヵ月。テニス中、「頭が痛いんで、ちょっと休む」、と休憩。いつまでたっても戻ってこないので、みんなで探してくれたそうですがなかなか見つからず。気持ちが悪くなったんでしょう、トイレに入って鍵を掛けていたようです。
それから3週間、まったく応答なし。
顔色もいいし、手も足も温かい。60年間、走り続けてきたんだから、納得するまで、休め、といいながらも、ついつい「目を開けろ!」と叫んでしまいます。家族に元気なところを示せよ!!!!