SPEED / 金城一紀 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

デジタル編集者は今日も夜更かし。

出版社に在籍していながら、仕事はネット、携帯などデジタル企画のプロデュース。

もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!

speed

精神が重力の影響を受けるわけはないのだが、夏バテのカラダが重たいのと同じように、
心がしんどいときにはズッシリと重く、動きが鈍くなる。
しんどいなぁ、と思っているときには、新しいことを試してみよう、とか、壁を打ち破ってやろうなどという発想なんて出てこないものだ。

今回の主人公は、16歳の“平凡な"女子高生。
だけど彼女は、かつてバレーを習っていた。つまり、跳ぶこと(ジュテ)の意味を知っている。
主人公の資質あり。切っ掛けさえあれば、素敵な指導者さえいれば、いつでも重力の呪縛から自由になれる。
彼女に危機が迫ったときに現れるのは当然奴ら。待ってたよ、ゾンビーズ!

女のコが落ちこぼれ集団のゾンビーズと絡むとどんなストーリーが展開するのか。
無条件に彼らのファンとなってしまっているボクとしては、冷静かつ公平に評価なんてできないし、その必要もあまり感じてないのでそこは割り引いて欲しい。
金城一紀の最新作は、やっぱり楽しかった。

この小説を一言で表せば、以下の式になる。

『SPEED』=(『レヴォルーションNo.3』+『フライ、ダディ、フライ』)÷2-『GO』

じつはほとんど想定内の展開で内容に驚きはなかったのだが、それはそれで楽しく読むことができた。
金城さん、いつもの頼む!ってお願いしたら、この作品が出てきたって感じ。
前2作に比べて、その爽快感や影響力は持続しなかったのだけれど、それは、ボクが男だからかもしれない。

何となく、そして意味もなく、ウムムと沈滞気味な最近のボクの心なのだけれど、それでもこういう小説を読むと、負けるモンか!とちょっと元気になっている。オトナになっても、いくつになっても、重力に逆らって宙を跳ぶ夢と希望は忘れちゃいけないんだ(*^^*) 単純すぎるけど。。

■SPEED / 金城一紀■