リビングの南面に広い壁を用意した理由。 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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Michael Lue

昔々、まだ壁掛けテレビがSFだった時代。
日本の住環境では大型テレビも部屋の角に置かれるから、薄型は普及しない、とボクは予測していた。

ブラウン管テレビは、大型になってもその三角に出っ張って必要となる奥行きが部屋の角にちょうど収まるから、邪魔にはならない。
逆に、壁掛けテレビを掛ける壁のスペースなど家の中にはないではないか、と思っていたのだ。そんな予測はプラズマや液晶の大型テレビの普及で見事にはずれたが、しかし、薄型テレビを購入したお宅のリビングはどんな配置をしているのか、ちょっと気になる。

子どもの頃を思い出すと、家の南側は、たいてい大きな窓や縁側が開き、太陽をいっぱいに受け入れていた。その他の壁は、ほとんどタンスや棚や、大型家具で埋め尽くされていて、広い壁面なんてどこにもなかった。日本の伝統建築も柱を中心とした造りだから、障子や襖で仕切られていて、壁面は元々少ない。その少ない壁面を埋めていたのは、カレンダーや状差しで、ご先祖様の写真なんて鴨居の上にずらり追いやられるのが定番だったりする。これは、ドラマや映画でしか見たことないけど…。

ボクは、自分の家のデザインをするとき、まず絵を掛けられる大きな壁面が欲しかった。
南側には頻繁ではないけれどクルマが通る道路がある。敷地に余裕はないから南側に大きな庭がとれるわけでもない。だったら、道路に面した南側を壁で塞いでしまえ!という乱暴なリクエストに建築家は応えてくれた。陽光は斜めにカットされた南西側から十二分に射し込む。

リビングの南面は写真の通り、大きな壁。
そこには、優しい天才/マイケル・ルーの大きなセリグラフ(シルクスクリーン)“QUARTET IN THE COUNTRY”を飾った。犬好きなのに、なぜか猫の絵。結構でかい。
リビングには他にも壁面を大きく取っているので、数点の絵をあちこちに掛けている。
見て楽しいし、ギャラリーで選ぶのも楽しい。掛け替えれば、その楽しさも絵とともに変わる。家具よりもリビングに変化をつけやすい絵やポスターだけど、な~んにもない壁がなければ、楽しめない。

だから、ボクは、最初に広い壁にこだわった。
壁には、時にモビールの影 が映る。虹のかけら が飛び交う。

この壁に、でっかいテレビを掛けちゃうのは、なんだかもったいない。