
芥川龍之介の「羅生門・鼻・芋粥」を読んだ。
この小説を読むちょっと前に、CSで録画していた黒澤明と宮崎駿の対談を見た。
宮崎駿は「戦国時代の物語を書きたいけれど、例えば普段道を歩いている時に
どんな音が聞こえていたのか?人々はどんな背格好だったのか?などリアルに
表現する事が困難で書けずじまいでいる。」というような事を言っていた。
黒澤明もその時代をリアルに表現する事の困難や努力やまたその面白さを語っていた。
この短編小説集に集められている作品の1つ1つ、どれも情景がありありと浮かんでくる。
様々な時代が舞台になっているけど、1つ1つがとても丁寧な描写で、例えば
人の歩くゲタの音などが聞こえてくるし、
ピリッとした空気を感じる空間に佇んでいる心持になるし、
ひどい臭気にまみれた空間にいて気持ちが悪くなりそうになるし、
1つ1つの物語毎でタイムスリップしているようだった。
この本に収められている「手巾(ハンケチ)」が僕は一番好きだった。
ジワ~と涙が出てくる感じ。
本を読んでいて、こういう感動の仕方は初めてかもしれない。