
代表的日本人(内村鑑三)に続いてこの書籍を読んだのには理由があって、明治の頃に日本の文化と思想を欧米に紹介した代表作として、岡倉天心の「茶の本」と並べてこの3冊が有名だという事で選んだ。
内村鑑三が人物にスポットをあてたのに対して、新渡戸稲造は武士が大切にした哲学、倫理にスポットをあてている。
面白かったのは欧米思想と日本思想の異なる点を武士道が大事にする倫理からみて指摘していた内容が、ニューヨーク旅行で感じたあの文化の違いに対する違和感の問題解決に繋がった事だ。
・それは礼についての思想について。
例えばプレゼントをする時に、日本人は「つまらないものですが」というのに対して、アメリカ人は「素晴らしい物を用意したわよ」と言う。これは「アメリカ人は贈り物の物質について言い、日本人は贈り物を差し出す精神について言う」と説明している。この文化の違いは非常に面白い。相手に対しての礼を精神的に捉える日本人の特性は良くも悪くも個性的だなあと感じる。
・また忠誠心から生じる精神について。
例えば我が子が、我が藩主の為に自害させられたとしたら、それは名誉であり、その子の属する家族の名誉になるという思想があったという事実。
封建的な考えの様に思えるんだけど、これを忌みせず賞賛していた時代が現にあって、日本人は非常に仲間意識が強く、個々よりも自分の属する集団を意識し大事にする精神が宿っていると感じる。外資系の会社で個人プレーを重んじる傾向を何かの番組で垣間見た覚えがあるけど、それをそのまま日本に持ってきても精神的に馴染めないんだろうと感じる。
日本のオリジナリティというのは今でもしっかりと息づいていて、「マネの上手な国」と日本の精神を萎えさせる様な教えを過去受けた事があるが、これは大きな間違いだと強く感じる。
薔薇に対するヨーロッパー人の賛美。
華美なる色彩
濃厚なる香気
棘を持つ薔薇に見られる生命の執着
桜に対する日本人の賛美
強くもない淡い色彩
主張しない香気
咲いては直ぐに散ってしまう儚さ
こういった趣向からも日本人の特性が伺えると新渡戸稲造は語っている。
武士道の教えは品性建つるが第一で、知的才能は重んじられず、美的嗜みは重要な役割という教えが大事とされ教育にも影響を与えていたという。
何を大事とするか武士道の教えを垣間見ると、今の世の中、個々がそれをじっくり考え、持ち、代々と伝えていかなきゃいけないのかもしれないと、自分の立場とか役割とか改めて考え直される思いを持った。