福島円盤餃子発祥の店。昭和28年創業の老舗。
店は住宅街の裏道に入ったところにあり分かり難い場所。それでも休日ともなれば長い行列ができる。
建物は新しくて綺麗。沢山の色紙などが飾ってある。入って直ぐの所にカウンター席、更にテーブル席が数部屋。厨房はカウンター奥にあり、客席側からは見えない構造。
「ご飯は置いていません」と掲げられた硬派な店。おばちゃん達による和やかな運営。
 
[円盤餃子1皿30個@1815]
フライパンで焼いたものをそのままひっくり返して皿に盛られる、円盤餃子と言われる所以。
比較的小振りで一口で行ける位の大きさ。1人前30個だが、小振りで軽い食感なのでペロリと頂けると評判。
厨房から焼き音が聞こえてこないので不思議に思っていたら、時々鍋をゆするジュっとした音が聞こえてくる。蓋をしてじっくりと揚げ蒸し焼きにしているようだ。
 
餃子の底の部分が揚げられたサクサク状態になっている。今まで食べた福島餃子の中でも揚げ部分は低く、底だけに揚げを作った状態。油がしっかり切られており、餃子自体も油っぽくない。
揚げた部分のサクサクした食感が楽しい。これぞ福島餃子な食感。他部分はモチモチというより、滑らかでふっくらした食感。自家製の皮だそうだが、並々ならぬこだわりを感じる。
びっしりと並べられているのに、餃子の皮同士がくっつくことがない。油も控えめなのに、皮がくっつかないのは何か秘訣があるのだろうか。餃子を持ち上げた時に、皮が破れて残念なことにならないのは素晴らしい。
餡は白菜などの野菜たっぷり。野菜の瑞々しさとシャキシャキした食感が印象的で、野菜から出る汁でジューシー。
そのままでも十分に旨い。卓上のタレを使うと、サッパリした酢に醤油風味で味に輪郭が出てくる。
自家製ラー油を使うと、ピリリとしたキレが出る。辛味は控えめで、風味を引き出した旨いラー油。
 
ようやく発祥の店に訪れることができたが、さすがに一味違うなという印象。
他店もこの味を目指しながら、独自の工夫を加えていったのだろうと思いを巡らす。今まで食べた中でも一番サッパリと食べられた。