ちゃんぽんと言えば長崎が有名だが、各地方にもご当地ちゃんぽんがある。元々ちゃんぽんとは混ぜこぜとう意味だが、転じて野菜たっぷり日式ラーメンを指す場合に使用されているような気がする。
八幡浜にもご当地ちゃんぽんがある。港町であった八幡浜に本場中国の食文化が伝わり、地元の食文化との融合の中で生まれたと言われている。
八幡浜ちゃんぽんの特徴は、鶏ガラ、カツオ、昆布などで出汁を取った黄金色スープであっさり風味。たっぷり野菜に豚肉、八幡浜特産の蒲鉾、じゃこ天などが具材として使われており、魚のまち八幡浜らしさを表現している。(八幡浜市HPより)
平成18年にまちおこし委員会が設立、3/28を八幡浜ちゃんぽん記念日に制定。平成22年に八幡浜ちゃんぽんMAPが作成されて、徐々に知られるようになった。平成26年に八幡浜ちゃんぽん振興条例が施行された。
 
丸山は八幡浜ちゃんぽん発祥の店とも言われている。昭和23年創業の老舗。
テーブル3卓、座敷2卓の思ったより小さな店。メニュー数も少ない。
 
・ちゃんぽん@600
丼に薄く醤油色のスープ、中太丸麺、ちゃんぽん具材の乗り、薄焼き玉子、細きくらげ、分葱がトッピング。
具材は、もやし、キャベツ、玉葱、人参、豚肉、蒲鉾を炒めたもの。
特製だとプラス100円で丼も大きくなり、じゃこ天、海老、烏賊なども入るようだ。
 
いりこがかなり効いた魚介風味たっぷりのスープ。この風味にやられた。魚のまちがたっぷり演出されている。
スッキリした口当たりで旨味十分。口の中に広がる旨味が幸せ。
油もそこそこあるがしつこくない。後半は野菜の甘みも出てきて更に旨い。
 
麺は加水低めでパツンとしたもの。スープを持ち上げるというより、麺自体の食感も楽しむようにしている。
長崎のようにスープで麺を軽く煮込むような工程はなく、タンメン風に炒め野菜を乗せたものだと思う。
野菜類はシャキシャキな食感。蒲鉾の柔らかで甘みを感じる味わいがまた良い。
薄焼き玉子というのはこのタイプに珍しいように思う。甘みがあって箸休めになる。
 
どんどんと引き込まれ箸が止まらず、スープも完飲。
このご時世、この価格で提供しているのは素晴らしい。
以前に四谷三丁目で八幡浜ちゃんぽんを提供している店があったが、そこの記憶とはだいぶ違った印象。もっと魚介風味が強くて魚のまちが演出されていた。もっとも古い記憶なのでアテにならないが。
訪問時、多くの客があんかけ焼きそばを注文していた。そちらもこの店の人気らしく、気になる。