ラーメン@600
 
南相馬の小高地区にある1951年創業の老舗食堂。飾りっ気の無い昔ながらのラーメンが人気。
震災で避難地区に指定されたこともあり、一時期は鹿島地区で営業していたが、元の場所に戻ってきた。
 
澄んだ淡色の醤油スープ、細ちぢれ麺、叉焼3枚、漂白メンマ、ほうれん草、葱、板海苔。
 
ほんのり甘めなたれと油の甘みが相乗効果で実にあじわいがある。
ベーススープは尖ったところがなく、じんわりと旨味とコクを感じる。
胡椒が忍ばされていて、味の輪郭をキリリとさせる。
全体的にはたれと油が印象的だが、ベーススープの旨味がそれをまとめている。
淡い味わいだが、不足感はない。じわじわと旨味が広がっていく。
味濃いめで注文している人もいるが、たしかにインパクトはないので今風ではないだろう。
 
細縮れ麺がスープを良く持ち上げる。シコシコとしていてスープと良く合っている。
叉焼はオーソドックスなタイプだが柔らかで肉肉しい。量もあって食べ応えがある。
漂白メンマはクセがなくやわらか。
スープの味の染みたほうれん草が旨い。
海苔も良い風味。
 
これは旨いなぁ。通いたくなる店だ。
11時Openで少し早めに着いたのだが、既に開店していた。
開店時間前から客が途切れなくやってくる。みんなよく心得ている。
壁に貼られていた応援コメントが微笑ましかった。
ふたたび
たのしかった日々をとりもどし
ばーじゃんがつくるラーメンを
しあわせをかんじながら
ょくたべたあの味をおもいだして
くらしゆたかで
どんどんたべれる
うまいラーメンを作ります
 
 
小高駅前にはもうひとつの名物店がある。
作家の柳美里さんが経営するbooks cafe フルハウス。
フルハウスというのは、柳美里さんの出世作の書名。
ちょっとしたbooksコーナーにカフェが併設している形態。
柳美里氏の本にはサインが入っており、全て異なるコメントが添えられている。
 
街をぶらぶらしていたら良さそうな食堂も見つけた。
井の頭五郎なら連食しているところだ。