大正から昭和に掛けての頃、駄菓子屋で焼かれていた粉もんをルーツとする。お好み焼きの元祖とも呼ばれる。
店は南座前の祇園入口にあたる賑やかな場所。壱銭洋食専門店で、店名には旧漢字を充てている。
店前で焼かれていてファーストフード風な提供。店の中でも食べられ、店内にはレトロ感のある演出。
犬にさるまたを噛まれて逃げている、壹錢喰太郎の像が名物で写真スポットになっている。
 
[壱銭洋食@750]
メニューは壱銭洋食のみで、他は飲み物だけ。ラムネと合わせるのがお勧め。
延ばした生地に具材を乗せるベタ焼きという形式。それを半分に折って、どんどん焼きのようにして提供。
京都のお好み焼きはこのベタ焼きが主流だとか。大阪など他地方では、生地と具材を混ぜて焼く、マゼ焼きと言うらしい。
 
具材は、牛肉、味付けコンニャク、竹輪、九条葱、天かす、刻み紅生姜、かつおぶし、生卵、刻み海苔。
デフォルトは甘辛ソースとのこと。卓上には辛口、大辛ソースも置いてある。
 
薄く焼いた生地がパリッとしていて旨い。ベタ焼きならではの食感で、こちらの方が好み。
甘辛ソースはそれほど甘ったるいわけではなく、ほのかな甘みとキリっとした辛味が良い味わい。
ピリリとした辛味を感じるが、具の中に七味が使われているのだろう。これもまた良いアクセントになっている。
生卵が半熟になっており、マイルドな味わいを加える。
味付けコンニャクが牛筋のような食感を演出。
たっぷりの九条葱、紅生姜の風味が抜群に効いている。
 
どんどん焼きみたいなものと思っていたが、全く違った。
これは旨い。京都市民はお好み焼きが大好きだというが、納得の味わい。他のお好み焼き屋も廻りたくなった。